2021/06/08

Logicool G PRO Xマイクテスト…G433からの買い替えレビュー G HUBがまた改悪された

G433で不満だった要素がG PRO Xではほぼ解消されています。
ヘッドセットの重量が320gというのもまったく重たくなく、むしろイヤーパッドがふかふかで柔らかいためG433よりも快適です。

ヘッドバンドのクッションが柔らかくて頭頂部が痛くならないため、アームを少し短めにしてヘッドセットを「深く」かぶると非常に安定することがわかりました。
驚くほどヘッドセットと頭部の一体感が得られ、イヤーパッドの密着性も増し、遮音性が高くなり低音の質が改善されます。





ケーブルの向きを間違えないようにしてください。
プラグをよく見ると5極と4極があり、太さも若干違います。





付属のUSB外付けサウンドカード「PRO X DAC」はG HUBをインストールせずに使うなら正常に動作します。

2021年10月16日追記
朗報!?最新のG HUB(バージョン2021.10.8013)をインストールしたらWindowsのスピーカー構成が7.1サラウンドではなく「ステレオ」になっていました。ゲームのサウンドも正常に再生され定位がおかしくなることもありません。


2021年11月25日追記
バージョン2021.12.4779をインストールしたらまた7.1サラウンドになってしまいました。
だめですね。やっぱりARKのサウンドがおかしくなります。




PRO X DACは編集一切なしのライブ配信でこのマイク音質です。
マイク入力の遅延が非常に小さいことも嬉しいです。


まとめ
・スイーベル構造ではないがハウジングのヒンジが滑らかでギシギシきしむ音が出ない。
・ヘッドバンドの長さ調整が固めで勝手に動いてしまうことはない。
・マイクの指向性が非常に高く、正確に口元に向けると周りの音をほとんど拾わない。
・ボリュームコントロールのダイヤルが適度に重く、勝手に回ってしまうことはない。
・風防が適切に機能していて鼻息がほとんど入らない。
・マイクミュートおよびミュート解除の操作でプツッとノイズが鳴ってしまう。しかもかなり大きい。
・PC用ケーブルはヘッドセット側の端子からボリュームコントローラーまでの距離が短く、シャツの胸ポケットにクリップが届かない場合がある。
・キラキラと伸びるような音質ではなく、固く締まったようなくっきりとした音。
・ステレオに設定しバーチャルサラウンドは使用しないほうが定位がいい。
・ケーブルのタッチノイズが伝わりにくい。
・突然サイドトーン(側音)が聞こえるようになる不具合がある。
・G HUBをインストールすると7.1サラウンドに強制されステレオに戻せなくなってしまう致命的な問題がある。




「300g超えは重たい」という先入観の影響がとても大きかったようです。実際に装着してみると肌触りがとてもソフトで、遮音性も高く、長時間の使用に耐えられます。

G433と違ってハウジング部分がスイーベル構造ではないので、可動部が「ギギギ」と音を立てることがありません。実況中にヘッドセットを触ったり位置を直したりするときの不快な音が出ないのは嬉しいですね。

可動部分の設計の悪いヘッドセットは声を出す際にあごの関節が動いただけでギシギシ音が出るため、それをマイクが拾って相手に聞こえてしまうことすらあります。ボイスチャットのトラブルの元です。



付属ケーブルはG433とほぼ同じですが、すべての端子が金メッキされています!!!
G433は普通の銀色の端子でしたよ……

着脱式マイクにも金メッキが!
PC用のボリュームコントロールとマイクミュートボタンのついたケーブルも金メッキ!
G433と同じでヘッドセット側が「5極」の特殊なプラグになっています。

ボリュームコントロールのダイヤルは少し固めというか適度な抵抗があって「服にこすれて勝手に回る」ことがありません。G433はスルスルと容易に回ってしまいました。
左右の音量バランスが悪くなる「ギャングエラー」も今のところ起きておらず、改良されているものと思われます!

しかしヘッドセットとボリュームコントローラーまでの距離がG433のケーブルより短いため、シャツの胸ポケットにクリップが届かない場合があります。

USB外付けサウンドカード以外はすべて金メッキ。
ヘッドホンとマイクを分岐するY字スプリッターのプラグとジャックも金メッキされています。

ケーブルの材質はスマホ用ケーブルのみゴム製で、ほかは布の編み込みになっています。
特にPC用ケーブルはG433より一回り細くなっており、若干硬くなっています。

サステナビリティーが適用される前のロットでしょうか??ちょっとわかりません。

金メッキ自体には特に意味があるわけではないのですが、端子がひどく汚れて接触不良を起こしても無水エタノールで容易に除去できる利点があります。


パッケージと箱はG433のほうが豪華でした……w
梱包にかかるコストを抑えてヘッドセット本体に注力されていると信じましょう。


 
さてマイクのテストをします。

ブームマイクの先端に小さなスポンジ状の風防がついていて、鼻息や大声で吹かれたときの「ボボボボボ」といったノイズが軽減されています。
G433より指向性が優れているようで、マウスクリックや生活音、猫の鳴き声などがほとんど入っていません。

マイクをミュートするときと解除するときに「プツッ」とノイズが出ます。




この動画はG PRO X専用プレミアムマイク「Blue ICEPOP」に換装したマイクテストです。

詳細はこちら→Blue ICEPOP Logicool G Pro用プレミアムヘッドセットマイクG-PHS-BMIPレビュー 音量がやや小さくこもるが「声に奥行きが感じられる」






G PRO Xがこんなにいいヘッドセットだとは思いもしませんでした。
259gと320gは大差ないことがわかったので、これからヘッドセットを買うならG PRO Xがオススメです。
Blue ICEPOPはまぁ買わなくていいかもwww

眼鏡の人でヘッドセットだと耳の後ろが痛くなってしまう場合は、ヘッドセットよりも眼鏡のフレームに原因があるかもしれません。確認して選んでみてください!



2021年6月19日追記

なぜか突然、マイク使用中にサイドトーンが有効になって解除する方法がなくG HUBをインストールして設定にアクセスするしかなくなりました;;
これですね……非常によくある「自分の声が返ってくる」という苦情の正体は。

G HUBを起動したらPRO Xを選んでヘッドフォン→音響タブにある「側音」を0にしてください。

どうして標準のオーディオドライバーだけで動作させているのに、G HUBを使用しなければ設定できないはずのサイドトーンが勝手に有効になるんだ……減点。

しかしこの「側音」はほぼ遅延なしで返ってくるので、耳を覆うタイプのヘッドセットに慣れない人にとっては「話しやすい」かもしれません。側音で聞こえてくる音に対してはノイズリダクションが適用されていないためホワイトノイズ的な音がずっと流れています。

まぁ個人的には邪魔な機能ですね。側音は0にしておいたほうがいいです。


ついでにG HUBを使ってマイクの設定も試してみました。

プリセットの「Broadcaster 2」が一番よさそうな感じですね。ちょっと「リミッター」を下げたほうが音量が安定するので4~6dBくらいにしました。
「ボイス EQ」も180と720と6000の各周波数を少し下げたほうが聞きやすいです。
デフォルトだと音圧が強すぎて「うるさい」声質になってしまいます。

マイクの音量は十分に大きくて、遅延もほとんどなく快適です。
Sound BlasterX G5は深刻な遅延に悩まされていたことを振り返ると、PRO Xがいかに優秀であるかがわかります。


ところがG HUBをインストールするとWindowsのスピーカー構成が「7.1サラウンド」に強制されステレオに戻せなくなります;;

G HUBでサラウンドを無効にしていてもWindowsはPRO X DACをマルチチャンネルのデバイスとして認識するため、ゲームタイトルによっては定位が非常に悪くなることを確認しました。

AmazonのレビューでPRO X DACを通すと定位が悪くなるといわれているのも納得。ヘッドセットやDACが悪いのではなくG HUBが悪いのです。
ステレオで異常のなかったゲームのサウンドが妙にこもり、不自然に低音が強調されてぼやけるのでダメです。イコライザーの問題ではなく定位が全体的におかしくなっています。



わかりやすくいうと……
敵の足音や鳴き声ではなく「音の出る壁」が近づいてくるように聞こえます。
面積の大きい壁から音が出ているような感じなので、正確な位置や距離がものすごくわかりにくいです。
あまりにも雑で粗末な音響なので「百均のイヤホン以下」と評されるのもうなずけます。
決してふざけたレビューではなく、率直な感想であることが理解できます。



G HUBで設定を済ませたら即刻アンインストールしたほうがいいです……

マルチチャンネルをサポートしないゲームにも強制サラウンドを適用するなんて……本当にゲームエンジンについて何も知らないんですかね……。

G HUBがステレオのつもりでもWindows側が7.1chに設定されてしまうからダメなんですよ。
ゲームのサウンドは必ずOSのサウンドミキサーを通るので、2ch音源であってもWindowsのスピーカー構成の設定に従って7.1chとして出力される「仕様」であることをG HUBは理解していないようです。

ボイスチャットで相手の声にまでサラウンドが適用されて聞こえる時点でおかしいことに気づかないのでしょうか。

サウンドオプションにマルチチャンネルに関する設定項目のないゲームタイトルは本質的にステレオでしか正しく出力できないため、7.1サラウンドの状態では定位が崩壊してしまいます。

G HUBはヘッドセットだけでなくマウスやキーボードの設定にも使用するソフトですが、必要な設定をオンボードメモリに保存したらアンインストールすることを強くオススメします。

G HUBの使用が前提なら、私はPRO Xを「買ってはいけない」と断言します。
G HUBをインストールせずに使うか、ステレオで正しく動作するDACまたはマザーボードのヘッドホン出力に挿すなら問題ありません。


ゲーミングオーディオデバイスはハードウェアはそこそこ優秀なのに、肝心のソフトウェアに問題があってPCゲーム向きではなくなっているのが現実です。

もともとゲームエンジンによって適切なサウンドがレンダリングされているので、「デバイス側のサラウンド機能で音響を改善!」というアプローチは根本的に間違っています。


なぜゲームのサウンドにデバイス側のサラウンドを適用すると上手くいかないのか簡単に説明します。

■3Dゲームのサウンドは三次元空間の任意の座標で発生するイベント(オブジェクトベース)に基づいてリアルタイムにレンダリングされている。
■ゲームエンジンはサウンドとグラフィックを同期させてズレないように出力している。
■デバイスはその出力されたサウンドに対して独自のアルゴリズムによる加工を施し、チャンネル単位で出力を行う。
■常にリアルタイムで生成される“チャンネルに依存しない”サウンドイベントをデバイス側では原理的に先読みできない。
■サウンドの座標の遷移(ベクトル)を忠実に追従しようとすれば遅延し、そうでなければどのように動いても破綻することがないように音像をぼやかすしかない。
■結果、ゲームのサウンドは全体的にぼやけ、音源の方角・距離・異なる方向から同時に発声した場合の聞き分けが困難になってしまう。

FPSの音源は「単独」ではなく「多数」が常に動き回り、プレイヤーは固定視点を眺めるだけでなく素早く周りを見渡す必要のあるゲームです。
リアルタイム演算は「次にどう動くかが不確定」というのが最大のポイントです。

時間の許す限り高精度な計算を行える条件とはまったく違います。スペックの問題ではなく設計が違うのです。


買って後悔してほしくないので念を押しておきます。


返品理由の大半はこういうことでしょうね……

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