2022年5月2日月曜日

Razer Seiren V2 Xレビュー マイクはいいがヘッドフォン出力にホワイトノイズあり…SYNAPSEをインストールしてからWindows側で設定

発売から半年も経過しているのにまともなレビューが出てこないRazer Seiren V2 X。
誰も購入していない可能性のあるUSBマイクですが簡単に紹介します。

2022/9/1追記
SYNAPSEから「ハイパスフィルター」の項目が消失しました。



Razerの公式サイトからSynapse3をダウンロードしてインストールします。
いちいちアカウントの取得やログインを求められるので従ってください。

マイクロフォンの設定に「ハイパスフィルター」と「アナログゲインリミッター」の項目がありますが、なぜかここで切り替えても機能しません

Windowsのサウンドプロパティから「録音」タブのRazer Seiren V2 Xを既定のデバイスとし、「Enhancements」の2つの項目にチェックを入れOKします。

こうするといわゆるローカットフィルター(ハイパスフィルター)と音量の正規化(ノーマライズ)が有効になります。
Synapseをインストールしていない状態ではこの項目が出現しないので注意してください。

ゲインを40~50%ほどに調整すると、机の上でキーボードと体の中間あたりに置いたマイクからほどよい音量で収録されるようになり、タイプ音やクリック音を最小限に抑えることが可能です。
台に乗せるなどマイクと口を近づける工夫をこらすとゲイン20~30%でも十分な音量となり、余計な音の侵入をさらに軽減することができます。


専用ソフトで設定しなくても配信ソフトやボイスチャット側でノイズリダクションやエコー除去が利用できるので気にする必要はありません
むしろ二重に適用されて不具合が起こる場合があるので気をつけましょう。

扇風機の風が少し当たった程度ではまったくノイズを拾わないので、ポップガードは不要だと感じました。
わざと雑音を発生させようとしない限り、普通に話している分には問題ないでしょう。


しかしマイクが使用されている状態では、背面のヘッドフォン出力からの音声にミュート状態であっても「キュルルルルル…」というかすかなノイズが断続的に聞こえます。
Synapseがインストールされている環境では、たとえマイクを使用していなくても常時使用中の扱いになるためずっとノイズが聞こえてしまいます。

能率の高いイヤホンでは特に目立つので要注意です。
ホワイトノイズに抵抗のある人はこの点をしっかりと押さえておいてください。


しかもPC起動時にSynapseを立ち上がるようにしないと、マイクのモニタリングが常に有効な状態になります。つまりマイクアンプ由来のキュルルルルルともジィィィィィともティリリリリリリとも取れるノイズが常時聞こえるということです。

モニタリングを無効にするにはSynapseのストリームミキサーのMICROPHONEにあるヘッドホンアイコンをクリックしてミュートにしてください。


私はこれでホワイトノイズの対策ができました。
例の「インピーダンスケーブル」を中継するだけです。こういうパーツがなければ、ボリュームコントローラーのついたヘッドセットを使うと解決します。

インピーダンスを上げることで高感度のイヤホンでもホワイトノイズがほとんど聞こえなくなり、キュルルルルル…というノイズもほぼわからなくなります。対策は完璧といっていいでしょう。

しかしこれはストレートプラグなので「L字型」に変換するアダプターがあると安心です。




直付けのプラグか短い延長ケーブルのどちらが使いやすいか知りたいので、この2つの商品を現在手配中です。

実際に使用してみたところ短い延長ケーブルのほうがよかったです。

いわゆるバーチャルサラウンドや立体音響といったデジタル処理に依存するものではなく、純粋な(ソースに忠実な)ステレオ音声です。


16kHzあたりから再生音質が不安定になり、「ひずみ」のほうが大きくなってまともに聞こえなくなることがわかりました。

PRO X DACやG5と違ってイヤホンを抜き差ししたときの「ブツッ」というノイズのないことは評価できますが、高音域のモニタリングにはまったく使えないのと、ホワイトノイズが大きいことが問題です。

高音域が16kHzから再生されない・歪むデバイスがある…ローパスフィルターで意図的に高域をカットしているのだろうか

再生音質に過剰な期待は禁物です!

ぶっちゃけ再生音質だけならSeiren V2 XよりもPRO X DACのほうがいい……





実際のマイクの音質はこんな感じです。
テーブルに直置きしていつものようにしゃべり、マウスとキーボードの音をどの程度拾うかの参考にしてください。

ぶっちゃけマイク自体の性能よりも、録画・配信ソフト「OBS」のノイズ除去機能が優秀なので、機材について考えたり迷ったりするよりも「話の内容」や「しゃべり方」のほうが重要だと思います。





Razer Seiren V2 Xはインピーダンスケーブルかゲーミングヘッドセットを持っている人にはおすすめできるUSBマイクです。
マイクスタンドやアームを買わなくてもテーブルに置いておくだけで十分だと感じました。

指向性パターンが1つしかないのでいろいろ切り替えて遊びたい人には不向きですが、どうせ使わない複数のマイクカプセルにコストを割かず、1つの25mmコンデンサーマイクに注力されていると思えば納得できるのではないでしょうか。
それとも機能マシマシ&余計な付加価値てんこ盛りで不具合まみれのデバイスのほうがいいですか…?

3~4個のマイクカプセルを搭載した他社製のUSBコンデンサーマイクと価格を比較するとSeiren V2 Xは「割高」に感じられるかもしれません。
YetiやQuadCastに実装されている14mmのコンデンサーに対し、Seiren V2 Xは25mmと大型です。

BA型イヤホンやポータブルヘッドホンなどの能率の高い(インピーダンスが低く音圧感度が高い)機器を使うとホワイトノイズがかなり大きく聞こえるため、買ったあとで「なんだこのノイズまみれのマイクは!」ということになりかねないのでおすすめしません。

お金が余分にかかってしまいますがZY-CableのZY-031かZY-001を使えばホワイトノイズが消え、非常にクリアな音質になるのでどんなイヤホンでもストレスなく聞くことができます。


が……しょせんUSBマイク。
再生音質にこだわる人はDACを別で用意したほうがいいかもしれません。

マイクとしては不満のないスペックですが、ヘッドフォン出力の音質がよくないので……「発売から半年たってもまともなレビューが出てこない」のも納得です。
特にレビューするような製品ではありませんでした。


私はDACとしてXDUOO Link2 Balを購入しました。
ゲーミングオーディオではことごとく聞こえるホワイトノイズがまったく聞こえません

なかば「USB DAC」というジャンルをあきらめかけていたところへ朗報です。

高品質な電力回路(TI LM27762)とDAC+アンプ(CS43131)により無音時のホワイトノイズが完全に消えています。
初めて使用したときはあまりにもシーーーンとしているのでDACがちゃんと動作しているのか心配になってしまったほど。



Link2 Balは18000円と少々高いですが発熱はほとんどなく、見た目も非常に高級なのでおすすめです。
数千円の安物や「有名メーカーのゲーミングオーディオ」よりもはるかに優れています。

かつては2万円弱のDACというと「入門向け」「エントリークラス」と小バカにされるほどの低価格商品。ましてや「スティック型」なんて正直まったく期待されない代物でした。

しかしそんなのはもう過去の話です。

2020年以降は世界中で多くの人がスマホを持つようになり、据え置き型のオーディオシステムの新規需要がほとんどなくなりました。
大きな機材とスピーカーで音質を追求するよりも、スマホとイヤホンで聞くことに特化した小型で省電力のデバイスが求められるようになっているのです。

数年前まではホワイトノイズと発熱は仕様のようになっていました。
それで妥協するしかなかったことを思えば十分でしょう。


消費者がサウンドデバイスの品質や価値についての認識をアップデートする必要があります。
「老舗メーカー」の「定番商品」よりも、「新興メーカー」の「新商品」のほうがはるかに上を行っていますよ。

どうせ同じお金を出して買うのなら、古いものより新しいものを選んだほうがきっと満足します。

6 件のコメント:

  1. あかさたなはまやらわ2022年8月18日 20:56

    記事内容助かりました。
    Windows側の設定がいるなんて…これ気づいてない人達多い気がします。

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    1. コメントありがとうございます。
      SYNAPSE最新版にしてもハイパスフィルターとアナログゲインリミッターの項目が勝手にオフになってしまいますね…

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    2. あかさたなはまやらわ2022年8月19日 2:27

      ありがとうございます。
      同じ症状です…これWindows側で設定しててもシナプス上でオフになれば効いてないんですかね?
      マイク設定画面開いたまま閉じると、次に表示しても設定が残ってる時もあります。

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    3. SYNAPSE上ではアナログゲインリミッターはたしかに効いている(レベルメーターのピーク時に黄色の枠線が表示される)のですが、Razer公式のサンプル音声を聞いても「意図的に声を張り上げている」だけで実際の効果そのものが疑わしく思えるんですよね。
      ハイパスフィルターはSYNAPSEのストリーミングタブやダッシュボードを切り替えている最中に勝手にオフになってしまいます。これが謎です…
      しかしWindows側ではずっと有効になっていて、たしかに低域カットと音量の正規化が持続しています。

      OSが標準でサポートしている機能なのに、わざわざSYNAPSEで設定できるようになっていること自体が奇妙に感じられます。
      SYNAPSEの問題というよりマイクの設計が間違っている気がしますね…

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  2. あかさたなはまやらわ2022年9月10日 1:02

    この度のアップデートで「アナログゲインリミッター」のみの項目になりましたね。
    どうやらONにしておけば勝手にオフになることもなさそうです。
    ハイパスフィルターの項目をなくしたのは謎ですが…

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    1. もともとハイパスフィルターはSeiren V2 Proのみのオプションで、V2 Xで設定できることがおかしかったみたいですねぇ…
      どちらの機能もソフトウェアによる実装でハード的にはほとんど違いがないのかもしれません

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メーカーから相手にされないようなレベルでも、サポートをたらい回しにされている人でも答えが見つかるかもしれません。
特にゲーミングオーディオ、ヘッドセットのトラブルが多いですね。