2023/07/02

Truthear HEXA "氦 レビュー インピーダンスと感度のわりに音量が小さい フラットでとても狭い音場 装着感はとても快適

あれ??このイヤホンって能率低かったっけ?と思ってしまうほど音量が小さいです。
Kinera Freyaは22Ωの110dBTipsy TTROMSOは24Ωの109dB

Truthear HEXA20.5Ω120dBとこの3つの中では一番能率が高いはずなのに、ボリュームが体感で半分くらいしか出ていないように聞こえます。
第一印象は「音が小さい!w」でした。

不具合なのか個体差なのか仕様なのか、私がスペックの見方を間違えているのかわかりませんが!
表記単位の違いであり、換算するとHEXAの能率は低いということでした。

もちろん私のDAC XDUOO Link2 Balは十分なゲインがあるので問題はないです。
むしろ実質的な能率の低いイヤホンのほうがホワイトノイズやクロストークなどの定量的な音質の点で有利です。メリットしかありません。


パッケージの美少女は「AIイラスト」といわれても違和感のないモデル。



付属のイヤーピースはかなり質がいいです!!
S・M・Lとフォーム素材、それに口径の異なる2種類が入っています。
HEXAはかなりイヤーピースを選ぶイヤホンだと感じました。
私には小口径のほうが装着感が良好です。

SpinFitはかなり押し込むのが難しいですが、Freyaのようにステムが滑って抜けやすいなどということはありません。

表側(フェイスプレート)が角ばったデザインのため、これを見ただけで「痛そう」「装着感が悪そう」と思われるかもしれません……
いいえ!!
実際に耳に入る部分は滑らかな曲面を描いており非常に快適です。
うむ……これはFreyaやTTROMSOよりも快適だぞ……

イヤーピースのチューブを挿し込む部分であるステムがしっかりしているので、TTROMSOのように脱落することはないでしょう。
ただHEXAの黒い樹脂のシェルは劣化が早そうな気がする素材で少し心配……。
ゲーミングマウスの滑り止めコーティングみたいな感じ。
ラバーのようなシリコーンのような微妙な触感。

想像に反して長持ちするといいのですが。


BIGMANGOのケーブルは2pinがきれいに収まります。
FreyaもTTROMSOもちょっと隙間ができてしまうのですが、HEXAはぴったりと挿さって気持ちがいいですね。
まるでHEXAにあつらえたかのようにコネクタがフィットします。

耳掛け式(いわゆるSHUREがけ)のイヤホンなのでケーブルのタッチノイズはほとんど伝わりません。
 

さて……HEXAはフラットで味付けの感じられない音です。
とても音場が狭く、音の広がりに欠け、この特性はリケーブルしてもほとんど変化しません。
解像度が高くてノイズが少なくて遮音性に優れていることからモニター向きといえそうです。

ケーブルはBIGMANGO Suzakuと相性がいいかもしれませんね。

空気感がなく奥行きもなく色気もないため好みが分かれそう。
モニターライクですが聞き疲れしない優しい音質です。



HEXAを通話・実況・会議などでマイクとともに使用する場合、遮音性が高いので周りの騒音を軽減し、相手の声に傾聴しやすくなる利点があります。
イヤホン本体が小ぶりかつ軽量で装着感に優れているため、自分が話す際の顎関節の動きで耳の中が詰まったようになる不快感も抑えられています。

口を動かすたびに耳の中がゴワゴワして話しにくいイヤホンに困っているなら、HEXAを選ぶ価値は十分にあるでしょう。

Kinera Freyaはイヤホン本体が大ぶりで耳の形に密着するタイプのため、純粋な「聞き専」にはよくても声を出すと自分の声が頭に響いて話しにくい欠点があります。
HEXAは耳に密着せず「三点支持」のように最低限の収まり方をする構造なので、自分の声が過剰に頭内で響くことがないようです。
この点ではTipsy TTROMSOも優秀ですが、遮音性でHEXAに一歩譲ります。



HEXAをラディウスのディープマウントに換装するとめちゃくちゃいいですね!!
非常に優れた遮音性があるにもかかわらず閉塞感がまったくなく、しゃべりやすく、しっかり固定されて外れにくいです。

「イヤーピースを吟味しても左右が微妙に合わない…」といった悩みもありません。

FreyaはスピンフィットのW1のほうが合いますが、HEXAにはディープマウントが最適です。
TTROMSOはどれでも合う感じ。万能です。



( `・ω・) ウーム…


HEXAはもう “モニターイヤホンのリファレンス” と呼んでも差し支えないくらいの遮音性、装着感、解像度、全域でフラットに聞こえる周波数特性を備えていると思います。

「一つくらい欠点を」見つけてやりたいところなのですが……ないな……

「ドライバーのスペックのわりに音量が小さい」のはむしろホワイトノイズ対策として有利に働いています。
ただし耐久性は未知数。
意外とすぐに壊れることでバランスが取られているかもしれません。

経過をお待ちください。



Fanmusic Truthear Hexa 1DD+3BA ハイブリッドイヤホン 0.78 2ピンケーブルイヤホン ブラック

79ドルというと「8000円くらい」に感じる人もいるでしょうけど……円安のため12000円になってしまっています。
18000円になっちゃいましたね…

それでもFreyaの半額以下ですよwwwwwww

まいったな……Freyaの立場がなくなってきた……


妙なくせや味つけのあるイヤホンは用途を選ぶことが多く、なにより好みが分かれるため安価であっても人に勧めにくくて困るのですが、HEXAはシンプルに「おすすめ」。
美少女イラストはともかく製品全体のデザインがとてもよい。
陰キャだけど成績優秀、品行方正なタイプ。

高評価のレビューがなかったら特に目立つイヤホンではないので、私もたぶんこれを選ぶことはないと思う……


ゲームと実況でしか使わないから、特定の音楽ジャンルがどうとかっていうのは正直よくわからない。

ゲーム内のサウンドの定位、距離感、解像度、同時に複数の音が鳴った場合に聞き分けられるか、騒々しいシーンで小さな物音を聞き取れるか、移動している音源の座標をしっかり追跡できるか、といった基本的なことと、遮音性、長時間の使用でも快適か、着脱のしやすさ、そして実況やボイスチャットで話す際に自分の声が頭に響かないこと、ケーブルのタッチノイズの少なさ、というのが「いいイヤホン」の条件と考えています。
完全に独自の分類、独自の基準です。

HEXAはどの要件も満たしていると感じます。

しかしホワイトノイズやクロストークや周波数特性が定量的な指標となる一方で、それ以外の「音質」はどうあがいても主観的かつ個人差の塊であるため、誰が言っているとしても話半分に聞いてください。

くれぐれも特定の人物、アカウント、メーカー、ウェブサイト、ブログ、SNS、まとめの記事や言説、主義主張、観測結果等を鵜吞みにしないことが大切です。
私のブログを含めてね。
エンターテイメントやバラエティーと思って読むのが賢明です。

人は情報の真偽や正誤よりも「自分の信じたいことを事実と思い込む」傾向を強く持っているので、マーケティングやフェイクニュースに容易に流されてしまいます。
私はそういう展開をさんざん見てきたし、自分もだまされて不快な思いをしました。
だまされないためには、データや根拠があろうがなかろうが信用しすぎないように心がけるしかありません。
データそのものが捏造だったり、都合のいい部分・期間のみを意図的に抽出していたり、誰にでも当てはまるような問答をさも真理であるかのようにアピールしたりするのは詐欺の常套手段だからです。

けれども「レビュー」というのは信頼関係で成り立つものとは少し違うんですよね。

気になる商品を買おうか迷っている人の背中を押すこともある半面、もともと懐疑的な人には買うのを控えることを促す場合もあるからです。

必ずしも「信頼」が鍵になるとは限らないのです。

ほしいと思っている人に購入の機会を与えるものであり、そうでない人には関係のないことです。

「責任のあるレビュー」ほどあてにならないものはありません。
当たり障りのない無難なことしか書いていない情報になんの価値があるのでしょうか。

2 件のコメント:

  1. Truthear HEXAの感度が dB/Vrms 表記になってますね。イヤホンだと dB/mW 表記がほとんどなので(KineraもTispyもdBとしか表記してませんが)、換算すると103dB/mWとなりKineraやTispyよりも能率が低いはずです。

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    1. 単位が違っていたのですね!
      ありがとうございます、すっきりしました。

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