2026/04/15

ATK RS6がいいんじゃないかな。長時間のゲームでも疲れにくい、水平に近い傾斜、軽くて浅めのストローク、パチパチと心地よい打鍵音


 「これいい」と「これいい」は1文字違いで大違い。

妥協で選んでいたつもりだったが、むしろこれがいい。

私がRS6をおすすめする一番の理由は「圧倒的な疲れにくさ」だ。

いつもならDRGのチームソロプレイを2時間も続けていれば左手と肩に疲労感がたまってくるのだが、RS6を使っているとそれがまったくないのだ。
従来はけっこう「翌日まで残る左肩の重み」に悩まされることがあったのに、RS6は疲れないばかりかもっとゲームを続けられるほど快適である。

RealforceもHHKBもBlackWidowも傾斜が大きく、厚みがあり、ソフトタクタイル感のあるスイッチのため、連打や細かい操作をすると左手が疲れやすい問題があった。
これらのキーボードは「タイピングは」快適で楽しく行うことができるものの、使用感がゲームに向いているとは思わないし、実際に疲労しやすいので候補からは外れる。


ATKは新興メーカーのためプロモーションや知名度が他社に劣り日本のユーザーは少ない。

私はこのメーカーを2025年10月10日に「日本別注モデル」として差し色のない真っ白と真っ黒のRS6が発売されたときに初めて知った。
近所のパソコン工房で発売当日に入荷されたと聞いたので “ただなんとなく” 足を運んだのである。ほとんど冷やかしのつもりで行った。
写真左のARC ON EARもまた発売当日に購入したUSB DACでこちらもお気に入りなので、興味があればリンク先レビューを確認してほしい。

正直、価格や知名度ではもっと優れたキーボードがいくらでもあるというのはわかっている。

しかしこのような「発売日にたまたま近所で見かけるイベント」でもなければ、新興メーカーの新製品など眼中になく、ElecomやLogicoolなどの有名どころから選んでおしまいである。
実店舗でもRazerやSteelSeriesの売り場は充実していてラインナップは豊富だ。

新興メーカーの中でもWootingやNuPhyは広告をよく見かけ、レビューも多いことから関心を抱きやすいだろう。

ともあれ情報として把握はしていても、関心のないものの中身を知ることは難しい。
非常に安価な製品であれば注目されるかもしれないが、ATKはそこまで激安というわけではない。

メーカーがこぞってプロモーションやブランドの確立に力を入れる理由がよくわかるだろう。
大口の広告枠を買い取り、有名人を起用し、それをアピールする。

「よい製品を作る」よりも「消費者に欲しいと思わせること」が重要なのである。
ところが……はたしてそうかな?

品質やサポートをないがしろにして宣伝に専念しているメーカーはどこかでボロを出すものだ。


RS6の不満点は1つだけ。RGBの発色がイマイチでキートップの文字が光らないこと。

アルミCNCボディーはきわめて重厚で精密に加工されており、表面処理も完璧で所有感を満たすものである。
Aspasという似た名前のプロゲーマーが監修し、浅めのキーストロークや水平に近い傾斜は実際のゲームプレイ事情を反映してデザインされたのだという。
Webアプリの動作も非常にレスポンスがよく、ファームウェアバージョンV1.80では表示がさらに高速化、ロードがほぼ一瞬で完了するようになっている。

Webアプリのキーボードプレビューにこの日本別注モデルであるオールホワイトとオールブラックが選べないのは惜しいが、機能や動作にはまったく影響しないため問題ない。
キーリマップ、キーキャリブレーション、ラピッドトリガー、プロファイル等の設定は完璧に動作する。

唯一の不満点はRGBライティングがしょぼいということである。
BlackWidow V4 Pro 75%に比べて輝度も演色性も大きく劣っており、5V 500mA(USB2.0)という電力設計のためか輝度を高くすると不具合を起こす可能性がある。

キートップの文字部分が不透明のため印字が光らず、点灯させても視認性はほぼ変わらないのが惜しい。タッチタイピングをマスターしていない人は注意されたい。

RGBはおまけ程度と思ったほうがいいだろう。


ゲームをするなら新しいゲーミングキーボードを。

レイアウトや設計を1から始められる新興メーカーはこういう場合に強い。
既成概念の使い回しやリネーム商法とは異なり、フレームからケース、ルブ、スタビライザー、吸音フォームに至るまで独自に実装するのは、設計の段階から開発者たちは楽しくて仕方がないであろう。
実際には高度に自動化された製造ラインで生産されるため「人の手の温かみ」などないのかもしれないが、完成された製品からはその技術力の高さと誇りが感じられる。

従来は多かった高さ4.0cm、ストローク4.0mm、押下圧45gのキーボードを見直し、3.5cm、3.5mm、35gにしたことは大きな進化である。
わずかな違いが大きな違い。



低め・薄め・浅め・軽め。

手前が低くスペースバーが高いことで親指の誤爆を防ぐ。

ジャンプなど頻繁に使用する重要な操作が割り当てられているゲームでは、親指は確実にスペースを入力し、周りのキーを誤って押すことのないようにしなければならない。
HHKBはスペースバーが周囲よりわずかに低いため、親指がVキーに先に接触し誤爆することが多発してしまうが、RS6は手前が低くスペースバーは周りより高く、誤爆を防ぐのに有効である。

全体的に薄いと手首の位置が安定する。

不用意に厚いキーボードを選ぶと「リストレスト」が必要になったり、チルトスタンドの角度で悩んだりと安定しなくなってしまう。
長時間のゲームプレイでは手首をリラックスできることが重要なので、傾斜のきつくないものを選んだほうがよい。

浅く軽いストロークは連打や反復がしやすい。

スイッチのわずかな違いでも何千回も何万回も入力すると大違いだ。
かつて45gで4.0mmのタクタイル感が最適だと考えていたことがあったのはあくまでタイピングの話であり、ゲームの操作とは本質的に異なる。
ゲームでは通常の文字入力にはないキーの長押し、同時押し、連打、切り返しなどの操作が多く、タイピングにとっての理想とは必ずしも一致しない。むしろまったく違うといっていい。
ストロークが物理的に少し浅いだけだが、滑らかなリニアスイッチであり、底突きまでのラグはわずかに短くなり、キーの往復にかかる時間の短縮につながる。つまりより早く入力ができるのだ。

このような事情からロープロファイルのキーボードも検討する価値が出てくる。
しかし好みが分かれるタイプなので「通常のキーボードでは高すぎ(厚すぎ)る。ロープロファイルでは低すぎ(薄すぎ)る」というわがままな悩みも出てきてしまう。

RS6は通常のキーボードよりほんの少しだけ低くて水平に近い角度で、私にはこれがちょうどいい。


打鍵音はパチパチと大きめ。

とても気に入っているのでゲーム配信ではASMRさながらの収録ができる。



あいにくキーボード打鍵音のASMRは掃いて捨てるほど飽和しているコンテンツのため誰も見ていないし自分でも見ていないため割愛するが、そのほうが普段通りで忌憚のない真の使用感が伝わるのではないだろうか。人に見られることを意識するとどこかズレたレビューになってしまう。

わざと大きな音が出るよう操作したり、編集で音声をいじったりすると、真実が伝わらなくなる。

「コトコト系」の音とは違い、好みの分かれるキーボードである。


ガスケットマウントではなくフォームとフィルムで固めの打鍵感。

ガスケットではないのでキー全体がふわふわと沈み込むようなクッション性はまったくない。
そのためパチパチという打鍵音も軽くて固めに聞こえる。
決して静かな音ではない。

HHKB Type-Sは圧倒的に静音だが、あれは手が疲れやすいのとパフォーマンスが上がらないのでゲーム用途としては比較にならない。オフィスでのタイピングに向いている。

RS6はキーの跳ね返り(底突き)が固いのかというとそうでもなく、個人的にはこれがジャストフィットしている。

BlackWidowはがっつり沈み込むガスケット構造であるものの、キートップの品質がイマイチでスイッチの押下圧が一貫して重いことからむしろ打鍵感が損なわれている。大したノウハウもないのに見よう見まねで設計したのがわかる残念な製品だ。


スペースバーも他のキーと同様の上質な打鍵音。

スペースバーだけが不快な音を立てるBlackWidowのようなキーボードには悩まされるが、RS6はどのキーを叩いてもパチパチという心地よい打鍵音を奏でる。
かなり気にするユーザーが多く、FPSゲームではスペースがジャンプなどの重要な操作に割り当てられており、どのようなセッションであれ多用されるため、悪い打鍵音を何度も聞くことになるキーボードはそれだけで敬遠されてしまうほどだ。

ユーザーによってはスペースバーだけ換装したり、内側にマスキングテープを貼ったり、紙粘土や樹脂を注入したりすることもある。
マスキングテープはコンビニでも売っているため、ちょっとDIYをしたければ試してみる価値はある。

キーボードの構造によっては「テープモッド」も難しくない。


可視化されにくいスペックにもこだわったハイエンドな設計。

480MHzで動作するMCUと、5つのキーごとに1つのチップを割り当てた「1+12チップデザイン」を採用することで入力遅延を最小化・処理を最大化し、高い制御能力を誇る65%磁気式ゲーミングキーボード。
これだけのスペックで2万円台前半というのは安いのではないだろうか。

ラピッドトリガーおよびアクチュエーションディスタンスの変更、マクロ、キーマッピングに加えSOCD、ダイナミックキーストローク、モッドタップ、トグルスイッチ、それに個別のRGBライティングとファームウェアアップデートなどの基本性能を備える。

ポーリングレート8000Hz、全キー32000Hz、単キー256kHzのスキャンレートに有意差があるかはともかく、1万以上のデータセットと330以上のデータポイントを分析するAIキャリブレーションが搭載されており、リアルタイムで軸の公差による接触不良の問題へ対応、誤入力や意図しないリリースなどを防止し、常に一貫した正確な操作が可能になっている。また補正を無効にすることもできる。

磁気スイッチの交換は現在9種類が対応しており、換装後にATK HUBから個別の設定とキャリブレーションが可能である。
万磁王轴(TTC King of Magnetic)、白蛇轴(TTC Magneto Snake)、磁玉Pro(Gateron Magnetic Jade Pro)、磁玉Gaming(Gateron Magnetic Jade Gaming)、利维坦轴(ATK Leviathan)、雪刃轴(Snow Blade)、烈刃轴(Blaze Blade)、冰刃轴Ice Blade)、星岚轴(Star Mist)。

RS6には標準でJade Proが搭載されている。


ATK ゲーミングキーボード RS6 Wired Magnetic HE keyboard ホワイト 0.001mm刻みのラピッドトリガー 256kスキャンレート 8kHzポーリングレート CNC削り出しアルミケース 日本別注モデル



かなり断定的な口調で書いてしまっているが、まぁだまされたと思って使ってみてほしいw

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