2つのイヤホンを買ってから2ヶ月、私の中で評価が二転三転としているSeeAudioのBravery'24と麻婆豆腐（MAPO TOFU）。
当初は単なる勢いと話題性に過ぎないイヤホンだと思われていましたが、めりめりをはじめとする真剣に購入を考えているオーディオファンが控えていることもあり、そろそろ多少強引でもいいので評価を下すべき時期に差し掛かっています。
オーディオの本質は良し悪しではなく聴者の好みの問題なのですが、ある程度断定的に評価しないとレビューが成り立たないことをご了承ください。
FPSゲームや汎用的な楽曲・映像の視聴には依然としてBravery'24が優位です。
どれほど聞き比べてもBravery'24の圧倒的な空間表現と定位のよさには驚かされます。低域に妙な盛り上がりとわずかなボヤつきが感じられ、研ぎ澄まされた高域は若干刺さるかもしれません。
周波数的には低域と高域がやや強調されていますが、聴感的にはボーカルと楽曲が調和し、どちらかが主張しすぎるといったことはありません。
ゲーム中のボイスラインと効果音の聞き分けにきわめて有効で、やかましいNPCのセリフで重要な物音がかき消されずに済みます。
長時間にわたる装着感のよさ、全域でフラットな音質、聞き疲れのしにくさ、妖艶なボーカルを求めているのなら麻婆豆腐がおすすめです。
聞けば聞くほどフラットでモニターライクな麻婆豆腐は好みの楽曲を専門的に聞き分けるのにうってつけです。周波数的にボーカルからやや外れた2kHz付近の音が妙に「近く」聞こえる不思議な性質があり、慣れないと距離や奥行きの判断を誤るかもしれません。
フラットなのですがボーカルの艶が強調され、耳元でささやくようなASMRやミュージカルを楽しく聴くことができます。
アニメや映画鑑賞、フルボイスのゲームや友達と通話しながらのプレイに向いています。
どちらのイヤホンも口を動かす（食事・発話）ときのゴソゴソという音がほとんどしないので、ボイスチャットや実況にも大変おすすめです。「モニターイヤホン」を名乗っているのにけっこう不快な製品もあるので…。
あれこれ悩まずにFPSゲームで使いたい人や、楽曲を傾聴するのではなくBGM的に流しておきたい人はBravery'24を選ぶのがいいでしょう。
「ながら学習」で集中するのに役立ちます。
よく同じ曲を繰り返し聞く人や、一日中イヤホンを快適に使いたい人には麻婆豆腐が向いています。
「語学学習」で発音をしっかり聞き分けるのに有効です。
ボイスラインが主張しないからFPSゲームで生かせるBravery'24。
主張するからボーカルを魅力的に聴くことができる麻婆豆腐。
Bravery'24と麻婆豆腐は一見すると “同一シェルの色違い” なのですが、実際に装着すると大きさも形も微妙に違っていることがわかります。
麻婆豆腐のほうがわずかに小さくて薄くなっています。
装着感が快適なのは麻婆豆腐です（個人差はあります）。
どちらもユニバーサルIEMを踏襲して精密に設計され、滑らかで軽量で美しいデザインです。
リスニング、モニタリング、ゲーミング、ながら聞き、聴覚過敏の対策に最適で、リファレンスとしても十分に運用できるイヤホンだと思います。
8ビットのレトロな音源からハイレゾレコーディングまで何を聞いても気持ちいいですよ。
ようは聞く人がいいと思えばいいのです。
5万円台のイヤホンで音質や装着感の悪いものはまずありません。
しかしハイブリッド型のイヤホンはしばしばDDが突然壊れ、低音が出なくなるものがあるようです……。
競合製品にはハイブリッド型が見受けられますが、部品点数が多ければトラブルも増えてしまいます。
Bravery'24と麻婆豆腐は4BAでDDを搭載していないのでそういうトラブルは「少ないと思いたい」です。あくまで希望的観測。
欠点としては付属ケーブルのタッチノイズが大きいことと、2pinが非常に固くて挿抜が怖いことです。
リケーブルせずに屋内でそのまま使い続けることを想定しているのかもしれません。
ところでBravery'24と麻婆豆腐。
レビューの以前にそもそも買っている人がいるのか怪しいんですよｗ
麻婆豆腐が発表された日にそのネーミングとコンセプトから少し話題になった程度で、試聴はともかく実際に購入・所有している人がどれだけいるのやら……
結局どっちを買ったらいいのでしょうか。
私としては装着感のよさと音楽を “楽しく聞く” という点で麻婆豆腐をおすすめします。
耳の形が合っていればBravery'24のほうがいい人もいるはずです。
正直なところ甲乙つけがたく、5:5に近い6:4で麻婆豆腐。
どちらか1つを手離せといわれたら……
実はワイヤレスのWF-1000XM5を持っているので音楽用にはこれで対応し…ゲーム用にBravery'24を残しますかね…
それも含めて1つだけというなら…やっぱり最終的には麻婆豆腐を手元に、いや、耳元に残します。
また、どれを買うか、買うか買わないかは一晩寝てから判断するのが好ましいということです。
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