2024/10/06

オーディオに科学や理論を持ち込むのはそういうことだ

イヤホンの試聴機からさまざまな「常在菌」が客に移っていく。

こんなことを聞いて快く思う人は多くないであろう。
科学や理論を持ち込むのはそういうことなのである……

ただ、それの及ぼす影響については未知のところがほとんど。
いたずらに騒ぐべきではない。


イヤホンの試聴機を使ったからといって病気や疾患を引き起こすようなことは「ほぼない」が、すでに何らかの疾患を抱えている人や、免疫の弱っている人に関しては「何か影響があるかもしれない」というのは、別にイヤホンの試聴に限った話ではない。

公共施設のドアノブやエスカレーターの手すり、操作パネル、飲食店のテーブルなどに触れることと大差ないのであるが、イヤホンの試聴は「耳に入れる」というかなり濃密な行為なので不快感を抱きやすい。


耳に関するトラブルも「難聴」や「中耳炎」といった病相を誰でも想像しやすい。

しかしイヤホンの試聴と病気の発症との因果関係は簡単には証明できず、またリスクを恐れて試聴機を撤去しようものなら店舗は潰れ業界に暗い影を落としてしまうため、やはり不用意に騒ぎ立てるべきではない。

そもそも「人から人へ常在菌の交換」が起こるのは悪いことばかりではないはずだ。
孤独な人の腸内細菌はそうでない人と異なっているらしい。
交流のある人のほうが腸内環境が良好で、細菌の種類や割合に違いがあるということなのだ。

最近では認知症患者の排泄物から腸内細菌が移ると認知症が伝染するかもしれないというウワサがあり、現場での介護士離れが進んでいるとの話を耳にする。

だがそれも十分なデータがあるわけではない。


「ブレインフォグ」の話題もそうだが、それっぽい話が信じられて尾ひれがつき、必要以上に不安を覚えて社会生活が困難になるようなら、むしろそれは感染症ではなく精神科や心療内科で診てもらうべき案件といえる。

「不都合を隠蔽しようとしている」と感じる人は、なおさらだ。

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