もともとヘッドホンやイヤホンの音響に慣れている者にとっては、「頭内定位」をことさら悪いようにみなしたり、「スピーカーのほうがよい」と主張したりされるのが理解できない場合もあるだろう。
ヘッドホンもスピーカーも一長一短があるから使い分ければいいものを、優劣を決めなければ気の済まない勢力のせいで価値観が歪められている。
ARC ON EARのバーチャルモニタリングは、ただ単に「プラグインやインパクト応答ベースの処理ではない」というだけで、「高度な物理モデリング」で実装されてはいるが、バーチャルサラウンドと得られる結果は本質的には変わらない。
それどころか「サラウンド感」という観点では、有象無象バーチャルサラウンドより劣っている。
劣っているが、これは周波数特性や遅延などが破綻しないようにギリギリを攻めた結果である。
古いがポンコツではない。
劣っているが、悪いわけではない。
ここでもし私がバーチャルモニタリングを悪いと断言してしまえば、ヘッドホン派VSスピーカー派が争っているのと何ら変わらないことになるだろう。不毛なブーメランになってしまう。
また私がバーチャルモニタリングを素晴らしい、「まるでスピーカーから聞いているようだ」と褒めちぎってしまうのは、誇大広告というか嘘つきである。
「スピーカーから聞いているような音」は明らかに言いすぎだが、「頭内定位を解消する」程度には機能している。
期待が大きいとがっかりするが、これは程度の問題なのである。
実際にStudio Simulationのスピーカーをクリック・ホールドしてみると、スピーカーのクロスフィードは上手く確認できる。
そもそも「スピーカーから聞いている音のように聞こえなければ価値がない」というのは、視聴者側の固定観念であり、乱暴な意見である。いかにも素人の感想といえるだろう。
しばらく聞いていることで聴覚が慣れたり、以前に聞いていた音響の感覚をしだいに忘れたりするため、音質やエフェクトは意外とどうでもいいのかもしれない。ためしにコーヒーを一杯いれて飲んだり外を散歩したりしてから聞いてみてほしい。さっきまでとバーチャルスピーカーの音が違うように感じられるはずだ。
バーチャルモニターを無効にすると、今度は「音が近すぎて」嫌になるかもしれない。
人間はご都合主義で自分勝手なのである。
SNSは物事を優劣や善悪でのみ判断する勢いに流されがちだが、それは本質ではない。
ARC ON EARの本来の用途というか目的とは、2つのスピーカーの応答や挙動を把握し、適切にミキシングを行うところにある。これを忘れてはいけない。音楽の制作側にとって「価値のある」機能として実装されているのだ。
誇張や加工感がほとんどなく「自然に聞こえる」ことに価値がある。
その価値がないと言われればそれまでなのだがwwwwwwww
IK Multimedia ARC ON·EARレビュー Windows11に接続するとUAC2.0で動作するも「音飛びしない」
ARC ON EARにはイヤホンの対応モデルは1つもないが、SeeAudio麻婆豆腐とBravery'24で聞いてみると…
IK Multimedia(アイケーマルチメディア) ARC ON·EAR 初回限定版 国内正規品
0 件のコメント:
コメントを投稿