絵の練習というのは遠回りになるどころか目的地を見失う危険行為であると私は考えています。
練習をして安心感を得たり、達成感に浸ったりすること自体が、すでに目的を見失っている状態なのです。
“遠回りは結局遠回り”
初めから自分が描きたいと思っている「絵」を描くことが大切です。
……
私もずっと前まではデッサンやモチーフを勉強したり、各パーツを細かく観察して自分なりにスケッチしたりといった「練習」に明け暮れていました。
しかしまったく意味がありませんでした。
15年前の私の絵は「悪い見本」といってもいいくらいひどいです。
細かいパーツを正確に描けるようにはなっても、実際に描きたい「絵」からどんどん離れてしまい、いつまでたっても作品として仕上げることができなくなっていたのです。
“最終的なアウトプットが何であるか”
プリンターを使うのに「テスト印刷」を延々と繰り返す必要があるでしょうか?
たしかに印字のテストに用いられるフォーマットにはあらゆるインクとパターンが使われています。
それだけです。
意味がありません。
インクと紙を消耗するだけですよね。
絵の練習はそれと同じことなんです。
実は上達の妨げになっているどころか、一つの作品として完成させることすら “できなく” なるのです。
絵の教本や解説動画を見ても意味がありません。
時間の無駄です。
「こういう絵を描きたい!」という最終目標に最初から取り組まない限り徒労に終わります。
買い物へ行くのに自転車に乗って叫びながら公園をぐるぐると回っていても仕方がないのです。
買い物は目的地へ到着しなければ達成できません。
「上達」や「練習」という概念から離れて、具体的にどういう絵を描きたいのかを明確にしましょう。
それが一番の近道であるし、唯一の方法です。
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