2024/07/25

イヤホンの音質は「いい・悪い」の2択ではないし、どちらか一方に振れていればいいものでもない

良し悪しの二元論では語れないし、どちらかに振り切れていることがいいのでもない。


世の中には平均値や中央値にこだわる人が多いことからもわかるように、イヤホンの音質も「いい・悪い」という観点では選ぶ決定打にはならないのです。

たとえば「平均身長でいい」とか「平均収入で満足」といった認識に落ち着くことです。


「特定の音楽ジャンルに向いているイヤホン」というのは、見方を変えれば「それ以外には向いていないイヤホン」というネガティブな評価になります。

つまり「いい・悪い」の2択で考えることができないというか、いろいろ不都合が生じてしまうのです。


イヤホンを両耳につけた場合、人間の頭部はその「中央」に位置します。

左右のどちらかが優位であっても全体としてはバランスが悪い、ということがイメージできるでしょうか。


音質に関してもそのような認識をすればいいのではないかと私は考えています。


評価するのに星が何個だとか、10点満点中の何点であるかとか、別のイヤホンと比較してどうであるかとか……
そういう概念そのものが適切ではないというか、不毛だと思うんですよね。

イヤホンの「価格」を持ち出して、もっとも高額なイヤホンが最高という前提で話が進んでしまうのは妥当な採点とはいえないでしょう。

SN比やダイナミックレンジを評価するためには恐ろしいほどの大音量で再生しなければならないのですが、実行できる人間はいるでしょうか。


130dBのダイナミックレンジを体験できますか?

一瞬で難聴になりますよ。




人間の聴覚では130dBのダイナミックレンジを正しく評価することは物理的に不可能なんです。

それこそ「太陽を望遠鏡で直視する」ようなもの。


よく「オーディオは沼」といわれますが……


オーディオは好みの問題である。

というのが本当のところではないでしょうか。

優劣でもなければ序列でもなく、競技性もなく、ただ聴者の好みで決まる次元だと思います。


個人的に一番正解に近い答えではないかと………

それともショップの店員がハイエンドのイヤホンをおすすめしてきたら買うんですか…?




重要なこととして。

人間の聴覚には音に対する適応性や健忘性があり、しばらく聴いているとそのイヤホンの音質に “慣れ” るようになっています。

しだいにフラットな音質に聞こえるようになり、最初の印象と大幅に変わることも珍しくありません。
どんなイヤホンでも聞いているうちに違和感がなくなり、時間の経過とともに感動が薄れていきます。
それで新しいイヤホンが欲しくなるのが「沼」ということです。

レビューの多くは「ファーストインプレッション」と「複数のイヤホンの聞き比べ」に偏っていて、「1つの機種の長期にわたる使用感」について述べられているものはほとんどありません。

少なくともイヤホンの「メーカー保証期間」、1年ほど使用したレビューを参考にするべきです。

物理的な故障や不具合が出てくることもありますから。

私のTIPSY TTROMSOもステムが脱落する不具合があったし、Kinera Freyaも片方のドライバーが壊れて低音が出なくなりました

ほとんどのレビューはメーカーに忖度して不都合なことを明記していません。

他人の評価があてにならないのはそういうことなんですよ。






基本的にはどんなイヤホンでも(よほど粗悪なものでなければ)気に入って使い続けていればあらゆる用途に合うようになっています。

聴者の耳が音質に影響するという「避けようのない仕様」があるからです。
「エージングで音が悪くなった😠」という意見がほとんどないのはそういうことなんですよ。


むしろ変なこだわりや入れ知恵のない状態のほうが「音質」に寛容で、任意のイヤホンを快適に使用できるといっても過言ではないでしょう……
それを言ってしまっては本末転倒ですがw

聴覚の事情が事情なだけに、イヤホンは「見た目で選ぶ」のが正解かもしれませんね。

音響的なパフォーマンスよりもデザインやファッション重視のイヤホンを探したほうが「いい買い物」ができると思います。

手当たりしだいにイヤホンを試聴するのではなく、「見た目」や「装着感」を重視することをおすすめします。

イヤーピースによって遮音性や低音の品質、装着感が大幅に変化するため、イヤホン本体よりも慎重に選ぶようにしましょう。

カナル型イヤホンはイヤーピースを挿入する深さによって周波数特性が大幅に変化します。

そのためイヤーピースの種類と取り付ける深さ、耳に挿入する位置や角度などを試行錯誤することが大切です。

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