2024/07/13

Creative Sound BlasterX G6(SBX-G6) Rev Cレビュー USBオーディオではなく光デジタルのアンプとしての評価は高い


発売(2018年8月)から6年が経過しようとしているG6ですが、Windows11とUSB DACの相性が悪くて「音飛び」する問題があってXDUOO Link2 Balの使用を中止したため、急きょG5を引っ張り出して「光デジタルのアンプとして」セットしたところ問題なく再生することができたことを受けたのでちょっとレビューしてみます。

G6とG5はガワこそほとんど同じに見えますが、中身とソフトウェアの挙動がずいぶん異なっています。


今は2024年7月ですが…パッケージには2021年とか2019年の表記があります。
中古品や在庫処分品ではなく新品ですよ。

USBがマイクロBなのも歴史を感じるデバイスです。
しかしもうそんなことはどうでもいい。
これが正常に動くに越したことはないからです。


「Rev C」ということは、過去に2回のマイナーチェンジが行われていたのでしょう。

「※改良のため予告なく仕様変更する場合がございます」的なやつです。

Rev AやBとは細かいところが異なっているかもしれません。
改良されているのなら嬉しいのですが、コストダウンのために素材が悪くなったり故障しやすくなっていたりするのは嫌ですね。

なおSound Blaster Commandで確認したところ、G6のファームウェアはすでに最新のものがインストールされていました。
G6は在庫が流通しているのではなく継続的に製造・出荷されている商品であり、そのつどファームウェアや同梱マニュアルも更新されている「信頼性の高い」ものといえそうです。
まぁ少なくとも「作って売りっぱなし」のプロダクトではないということですね。

発売当初は円高で14,800円だったと記憶していますが、今は21,780円もするよ……
円相場と物価高騰による値上げであって製品自体がよくなっているわけではないでしょう。
ネットショップで17,000円台、量販店だと2万円強。



とにかく今回は「USBオーディオ」としては一切使用せず、「光デジタルのアンプとして」のレビューをします。


まず電源がなくては何もできないので、コンセントにいわゆる「5V/1A以上のUSB充電器」(別売)を差してG6に付属のUSBケーブル(TypeA-マイクロUSB TypeB)を接続します。
電源だけはUSBから供給するしかありません。

USB充電器は必ずポート単体で使用してください。
複数のUSBポートを異なるデバイスで使用すると「プツ…プツ…」といったノイズが混じってしまいます。

パソコンの背面パネルに「光デジタル出力端子」、SPDIF OUTがあれば、G6に付属されている光デジタルケーブルをOPTICAL INに接続します。
そしてWindowsのサウンドオプションで音声出力を「Realtek Digital Output」などに設定し、ボリュームを100にします。

G6のボリュームノブを左に回してLEDをできるだけ暗くしてから、前方の左の端子に3.5mmのイヤホン端子を差しましょう。
ボリュームを下げる前に差すと大音量でイヤホンか耳がイカレるかもしれません。

これだけでPCの音をG6から聞くことができるようになります。

G6は光デジタル接続では32bit/384kHzのサウンドを処理できません。
もちろんDSD再生も不可能です。

Realtek Digital Outputのプロパティで「Dolby Digital」を有効にし、サンプルレートは「44.1kHz」、「48.0kHz」、「96.0kHz」まで利用することができます。
入力される信号にDolbyの音声が含まれていれば5.1chのマルチチャンネルサウンドをデコードし、ステレオとして再生されるというものです。
G6自体がDolby Digitalを出力するわけではないので注意。

出力側が192kHzでも、G6の光デジタル入力が96.0kHzまでしか対応していません。
単にそのフォーマットを扱えるかどうかの設定に過ぎず、最終的な「音質」に直接影響を与えるとは限らないので、あまり気にしなくても大丈夫ですよ。

音の良し悪しはサウンドの形式よりも、アナログの回路(アンプ)やイヤホンの品質、エフェクトによる “感覚” に左右されます。
絶対的な指標となるのはホワイトノイズとクロストーク、ダイナミックレンジくらいです。

ホワイトノイズはG5よりもはるかに小さいです!
G6は「音質がキンキンする」「G5より聞き疲れしやすい」といった否定的な意見が目立っているような印象でしたが、だいぶ古いレビューですし、もしかするとRev Cでは改良されているのか、少なくとも私は悪いとは感じませんでした。

これならインピーダンスケーブルがなくても高感度なイヤモニを普通に聞けます。

うん、G5とはまるで別物だなこりゃ。

音に厚みと深みがあるし、締まりがあって奥行きも感じられる。
左右独立ヘッドホンアンプ「Xamp」はダテじゃないですね。

クリーンなステレオサウンドを再生できる性能があるからこそ、イコライザーやバーチャルサラウンドなどのエフェクトで音の変化を感じやすいです。

サウンドエフェクトの有用性云々の話ではなく、「非エフェクト」とエフェクトの変化をどう感じるかというのがゲーミングオーディオの真理だと思っています。

人間の聴覚とゲームエンジンの構造上、デバイス側でサウンドに処理を加えたところで本来の定位よりもよくなることは原理的にありえないからです。




G6の見た目でまず気になるのは、LEDで光る「X」のロゴとボリュームノブ。
このLEDは消灯したり発光パターンを変えたりできますが、USB接続したうえで専用ソフトウェアを使ったときのみ対応します。
LEDのオンオフはG6単体ではできず、またそれを記憶する回路もないようなので、光デジタルのアンプとして使用すると常にXは赤色、ボリュームノブは白色で発光し続けます。

ちなみにG5よりもLEDが明るい(まぶしい)です。

G6はイヤホンを差し込むと「カチ…」というリレー回路の音が鳴りますね。
USB電源につなぐとG5はすぐに音声を聞くことができましたが、G6は起動に10秒近くかかります。


光デジタルでの運用はソフトウェアを使用しないのでさまざまな機能を有効にしたり調整したりすることができません。
もちろんマイクも一切使用できず、ミキサーにも対応しません。

G6単体で操作できるのは音量調整とミュート、「スカウトモード」と「SBX」の有効化、ゲインの高低を切り替えること。
G6を「初期化」するには、USBから給電されている状態でスカウトモードボタンとボリュームノブを長押しし、インジケーターランプの明滅が収まってから離します。

スカウトモードは大層なものではなく、「小さな音を大きく、大きな音を小さく」するボリュームの正規化(ノーマライズ)の極端な処理をするだけです。
ゲームプレイにおけるかすかな物音を強調して聞きやすくなる半面、距離感や奥行きを判別しづらくなり、また音源が近づいているのか遠ざかっているのかをわかりにくくする欠点があります。

SBXはG5で不評だった “BXAE” のバーチャルサラウンドと違い、Zシリーズなどで採用されている違和感のないエフェクトがセットされています。
G5は3つのプリセットを切り替えることができ、ソフトウェアを使用すれば3つとも変更することが可能でしたが、残念ながらG6には1つのエフェクトしか登録できません。

私のブログを見たことのある人ならスカウトモードもSBXも有用ではないと理解していただけると思いますが、G5のエフェクトと比べて自然に聞こえるので試してみる価値はありそうです。

繰り返しになりますが、SBXボタンの編集には専用ソフトウェアとUSB接続が必要で、1つのみセットすることが可能です。




音の遅延は感じられません。

むしろほかのUSBオーディオよりもレスポンスがいいとさえ感じます。

これもう光デジタルで使ったほうがいいでしょww
ほとんどのレビューがUSB接続の運用なので、G5もG6も本来の評価ができていなかったんです……

USBオーディオはボリュームノブのレスポンスが著しく悪いことがあるのですが、光デジタル接続のG6はとてもスムーズに調整できます。


最小付近のボリュームはとても小さくできるし、細かいステップで上下させることができます。


G6のDACはLink2 Balと同じCirrus LogicのCS43131が搭載されています。
G5はCS4398にTexas Instruments TPA6120A2のアンプ。

こういう基本的なスペックが検索でなかなか見つけられなくなってきているのは厄介ですねぇ……
有用な情報は埋もれる傾向にある;;


Creative Sound BlasterX G6 ポータブル ハイレゾ対応 ゲーミング USB DAC PC PS4 Switch SBX-G6 ブラック


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