いくら「善良」や「まとも」なふりをしていても、ある物事について悪口や悪態をつくなら、
善良な部分も実は善良ではなく、まともな部分もまともではない可能性が出てきます。
初めから「悪」に支配されている人については、ますます悪に向かうでしょう。
また客観的に「善良」とみなされている人がいても、
いざ自分に悪口を言われたり、攻撃の標的となったりした場合、
仕返しという形で報復するなら、それは立派な「悪」になります。
「自分が傷つけられたのだから、相手にも同じ傷を負わせるべきだ」
「これが正義だ」
と考える人もいます。
相手を傷つけなければ気が済まない人のどこが善良なのでしょうか。
その理論でいくと、
傷つけられた相手はまたその人を傷つけてもよいということになってしまいます。
それがエスカレートすると──
二度と復讐をできないようにするため、
相手の命を奪うことさえするようになります。
典型的な「戦争」の様式がこれです。
戦争の結果、勝利した側は喜ぶでしょう。
しかし喜びは永続しません。
一時的な富や繁栄がもたらされるかもしれませんが、永続することは決してないのです。
「復讐できないように徹底的に滅ぼし尽くしても」、また別の勢力が立ち上がり、
それによって再び戦争が起こるといったことが何度も繰り返されています。
……
たとえ相手を悪く言わないように心がけていたとしても、
相手は自分を悪く、面白おかしく言うことがあるかもしれません。
そのとき、相手に復讐しようとしてはなりません。
かなりの確率でそれは「冗談」で言われているからです。
冗談に対して本気を出すのが一番いけないのです。
仕返しをした瞬間、今まで積み重ねてきたものは崩れてしまうのです。
そうならないために怒りを遠ざけて、仕返しをしないようにすることに努力しましょう。
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