2016/01/10

Anker PowerCore 10400への充電時間と実効容量

病床のコンセントは好き勝手に使えない(電化製品の持ち込みはご遠慮)ということで
Xperia Z4を2~3日もたせることのできるモバイルバッテリーが追加されました……
Anker PowerCore 10400のWhiteとBlackです。

Amazonとはいえ直販店でただの色違いなのにどうして値段が違ったのか謎ですが、
このほうがJ( 'ー`)しに
「黒を充電してきて」「白をお願い」
と伝えるときに間違いがないからですwww

リチウムイオン電池の特性として「メモリー効果」がなく、
バッテリーの残量が中途半端であっても継ぎ足し充電が可能であるため、
いちいち気にせずに自宅の充電器につないでもらうだけでOKです。

リチウムイオンのモバイルバッテリーを運用するポイントは、
完全に放電するまで使わなくてもよく、
完全に充電するまで待たなくてもよい。
ということです。

モバイルバッテリーを「満充電」するには数時間~十数時間かかる場合があります。
容量の上限に近づくほど保護回路により給電がおだやかになり、
満充電に到達するのには時間がかかるようになっています。
これは「急速充電」でも変わらなく、むしろ急速充電だからこそ安全のために
出力を抑えるように設計されており、90%付近からの伸びは鈍くなっています。
実用上はその時点で充電器から取り外し、持ち出してもかまいません。

モバイルバッテリー購入の経緯や超詳細なレビューは前回の記事をお読みください。
TronsmartのMicroUSBケーブル、AukeyのUSBチャージャー、Ankerのモバイルバッテリー
リチウムイオン電池はけっこう危険な物質でできているので取扱い注意。
送られてきたパッケージにはCAUTION!とラベルが貼られていました。
同じ製品の色違いなのでパッケージはまったく同じです。
ピンクでなければ白が好きなのですが、なぜか現時点では白のほうが値段が高い。
開封しても特に価格差は感じられません。
さらさらとした柔らかいビニール袋にバッテリーが包まれています。
袋はセロテープなどを使わず、熱で溶着されたようなくっつき方をしていました。
ちょっと見たことのない包装の仕方です。
☀Happy?
という皮肉のようなリーフレット、MicroUSBケーブル、取扱説明書、
そして素材の繊維がぼろぼろと取れるメッシュのポーチが付属。
おや?
白のほうはケーブルがむき出しの状態でした。
黒はケーブルもビニール袋に包まれているのに。
白いのでポーチから抜け落ちた黒い繊維が目立ちます。
2Aの入力と2.4Aの出力(2ポート最大3A)というわりには細いケーブル。
ノギスで測ると3.1mmでした。
やはりTronsmartの30cmケーブルで運用することにします。
このポーチは本当に黒い繊維が抜け落ちて困るので、
一度、水で洗濯しました。
洗っている間に繊維がどんどん抜けて水が濁りますwww
優しく時間をかけて洗って陰干しさせておきましょう。
容量は10400mAh、商品名の数字は容量を示していたのです。
240gというのはけっこう重く、文鎮の代わりになりそうな感じです。
もちろん表面の色以外には何の違いもない(はず)。
出力が2ポート。
2ポート合計3Aで、各2.4Aまで。
Quick Charge 2.0には非対応

対応品は大容量だけど値段が跳ね上がるしアルミニウム製なので却下;;
モバイルバッテリーが金属製だと一緒に入れているものに傷がつきやすい。
放熱という点では優れているのかもしれないけど……。

左手で持った状態の大きさ。
つや消しのプラスチック製ボディは丸く処理されており、
エッジも指を切るようなことがなく持ちやすい。
側面には残量確認用のボタン。
4つのインジケーターランプの点灯により残量がわかります。
4つ=100%
2つ=50%
1つ=25%
と取扱説明書には書いてあります。3つは75%なんでしょうか……
どちらもランプが3つ点灯していることから、
おそらく容量の半分以上は残っているのでしょう。
白の本体背面の印字。
黒の本体背面の印字。
黒地に灰色の文字なので上手く写せませんね……
Ankerには日本法人もあり、日本語のウェブサイト日本語のTwitterも運営されています。
サポート体制も日本のメーカーより手厚いと言われてますね。

Ankerのベストセラー、Astro E1(5200mAh)と並べてみました。
E1は容量も重さもほぼ半分です。
 厚みはほとんど同じですね。どちらも2.2cmとあります。
バッテリーの容量が10400mAhあるといっても、
その数値がそのままスマホのバッテリーへ移動できるわけではありません。
リチウムイオン電池の定格電圧は3.7Vですが、USB経由で送電する際に
5Vへ昇圧、さらに給電する端末に合わせて降圧、とロスが発生するうえ、
バッテリーにもケーブルにも内部抵抗があり、発熱などによる損失があるためです。
実際に給電できるのはバッテリー容量の6割から7割程度らしいです。
意外と効率が悪いんですね……。

仮に実効容量が6割だとすると10400*0.6=6240mAhとなり、
2930mAhのXperia Z4をせいぜい2回満充電にできる程度。
この仕様を知らないと「余裕で3回以上満充電できる」と思ってしまいますが、
実際にはできない(はず)なので気をつけてください。
この記事の後半でそれを検証していきます。
Astro E1はつやつやのボディなのでずいぶん異なる印象を受けます。

買ったままの状態でさっそくXperia Z4(2930mAh)に充電を開始。
Z4の残量が15%になるのを待ってからケーブルを接続しました。
USBポートがかなり固くて挿抜がきついです……。

30%まで給電されたところでランプが2つに。
65%でランプが1つに。
90%になってもまだ残量がありました!

再びZ4の残量が15%になってから給電開始。

10分で15%→23%
20分で28%
30分で35%
40分で42%
50分で51%
60分で61%、インジケーターランプが点滅したので給電終了。

およそ1回半の充電ができました。
これなら満充電にすればZ4を2回は余裕で充電できそうです。

どうもAstro E1よりも出力が弱いようですね。
その分、発熱が少ないようで本体があまり温かくなりません。

Ankerのテクノロジー「VoltageBoost」がケーブルの抵抗を認識し、
電圧を調整して出力するということですが、
もしかすると短い高効率のケーブルでは出力を抑えられてしまうのかもしれません。
あるレビューで「短いケーブルだと急速充電ができなかった」というのがありました。
100cmのケーブルに替えて給電すると…

10分で61%→72%
20分で80%
30分で88%
33分で90%に達したため実験終了。

中途半端な残量ではよくわからないですね。
もう一度、きちんと実験します。

TronsmartのUSBケーブルを30cmから100cmのものに替える。
まさか長いもののほうが充電が早くなるのでしょうか?

10分で15%→23%
20分で31%
30分で40%
40分で49%
50分で58%
60分で67%、インジケーターランプが3つに。
70分で77%
80分で85%
87分で90%に到達。

たしかに急速充電されているようです。


もう一度30cmのケーブルに替えて実験。

10分で15%→23%
20分で31%
30分で40%
35分で47%になったところでインジケーターランプが2つに。
40分で49%
50分で59%
60分で68%
70分で77%
80分で86%
86分で90%に到達。

短いケーブルでも急速充電されています!
きちんと検証できて安心しました。


5分で15%→20%になりインジケーターランプが1つに。
10分で23%
20分で31%
30分で40%
40分で49%
50分で58%
60分で68%
70分で77%
80分で85%
87分で90%に到達。

Xperia Z4(2930mAh)を15%から90%まで3回充電できました。
ざっくりと計算して6592mAh以上の実効容量があるようです。
まだ余力があります。

4分40秒で19%になりインジケーターランプが点滅。

ここで残量がなくなったとみなし、実験を終了します。

Anker PowerCore 10400の
実効容量は6700mAh程度と見積もられました。

また「ついで」程度に、バッテリー付属の細くて頼りなさそうなケーブルで充電してみました。

10分で20%→28%
20分で33%
30分で42%
40分で51%
50分で61%
60分で72%
70分で82%
80分で89%
81分で90%に到達。

早くもないし遅くもないですね。Tronsmartのケーブルと変わらないようです。
ケーブルは細くても中の送電線の太さは20ゲージらしいです。

**********


最後のインジケーターランプが点滅し始めた時点で
バッテリーの(実用上の)残量がなくなったとみなして、
2Aで急速充電していきます。はたして何時間かかるのか。
AukeyのUSBチャージャー、PA-T2から給電を開始。
MicroUSBを接続するとランプが1つ点滅。

53分でランプの2つ目が点滅。
145分(2時間25分)で3つ目が点滅。
216分(3時間36分)で4つ目が点滅。
335分(5時間35分)ですべて点灯。

2Aの入力なら5時間半で満充電できることがわかりました。
「満充電に11時間かかる」というレビューは1Aなのでしょう。
バッテリー本体は少し温かくなる程度で、Astro E1よりも低温です。

仮にこの容量(10400mAh)に対してQuick Charge 2.0で充電できたとすれば、
公称値である「75%の時間」で約4時間10分
1時間以上も短縮できるなら対応品を選ぶ価値はありそうですね。

また、5時間半も待たずに、インジケーターランプの4つ目が点滅する
3時間半のあたりで充電をやめても、実用上は十分な容量に達していると思われます。
どうしても満充電で最大の容量を持ち出さなくてはならない場合を除き、
「2時間」余分に待つことと、最大容量の「75%(推定)」の差のどちらを取るか、
ケースバイケースといったところでしょうか。

充電で2時間待つというのは忙しい人にとっては大きな損失につながります。
予備で別のバッテリーを用意することは無駄ではなく、むしろ賢明ともいえるでしょう。
荷物が増えるとしても、それだけ活動する「時間」を長くできるのですから。

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