2025/10/20

ロープロファイルのキーボードが人気というより、新作がこぞってロープロファイルだからそう感じる

1社が「薄型でも品質や打鍵感に妥協のないキーボード」を発売したなら、競合他社はそれに追従するしかないので、必然的に似たような製品が量産されるようになります。

パーツは独自の製造ラインを持っている場合もありますが、たいていOEMで使い回されているものを独自のブランドとして販売しているだけなので、やはり似たり寄ったりのキーボードが完成します。

結局のところ「製造元が同じで、販売元が違うだけ」の商品。
レイアウトやコンセプトだけでなく機能や価格まで同じなのはそういうことです。

同じものをいかに差別化し、魅力的に見せかけるかが商売の本質といっても過言ではありません。

1つでも真新しいパーツを使用するとそれだけ製造コストが増加し、値上がりすることになります。
大量生産すると安くなるのは、部材や製造ラインを同一化して効率的に作ることができるためであり、わずかなパーツの違いでも思いのほかコストは上がり、「値段に見合わない商品」が生まれます。

消費者は価格が高くなると別の商品を選んでしまうので、オリジナリティーとバリューのバランスがとても難しいのです。


どんぐりの背比べならどこで差がつくのか?


マーケティングですね。
有名人を起用したプロモーションに力を入れたり、とにかく広告をたくさん打ったりするのです。

それでマーケティングばかり達者で商品の質やサポートの悪いメーカーが乱立するようになるのも事実。

どれを選んでも実質的な違いがなく、最終的に「ユーザーの好み」に収束するのであれば、やはりブランド力が勝つ。

囲い込みが商売の基本であり、ユーザーを満足させる近道になるのがわかっているので、メーカーはブランドやエコシステムを意識するのです。


私がここで「薄型もいいぞ」と書くことで、「へーそうなんだ」「いや使いにくいよw」「薄毛をバカにするな😡」などの反応が少なからずあるとすれば、それだけ影響を受けているということです。


ゲーミングデバイスの新興メーカーは老舗と違い、新進気鋭のプロゲーマー主導のもとで商品開発やマーケティングに注力する傾向があり、「大会だけでなく普段使いでも愛用」という真のユーザーの「相棒」を目指しており、文字通り「実績」を積むことに余念がありません。

老舗はそのブランド力とマーケティングに商才を発揮しますが、実際の製品には手抜きやコストダウンの痕跡が多くみられ、プロゲーミングチームを抱え込んで広告を打つも、各選手の日常は別の高品質なデバイスを好んで使っているというギャップがあります。

SNSで個人レベルでの情報発信と共有が容易になったため、それがしばしば「業界の闇」として取り上げられ、ユーザーは「違う、こんなのじゃない、プロの使っている “本物” が欲しいんだ!」という情熱に駆られます。

Logitech(Logicool G)、Razer、Corsairといったメーカーはよく知られている老舗ですが、Wooting、ATK、Pulsarなどは「名前すら知らない」という人も多い、歴史の浅いメーカーです。

しかし知名度の高さと製品の質は必ずしも比例しません。

なぜなら老舗はブランドとマーケティングに多額の資金を投入しており、製品にかかっているコストは平均か普通以下ということが少なくないからです。

ベンチャー企業はそこに着目します。

老舗が手を抜きがちなところを手厚くサポートすることが、成長の近道であるからです。

そのため公式サイトだけでなくSNSやDiscordなどのチャットでのサポートや返品に対応し、非常に柔軟かつフレンドリーな経営であることが多く、新規ユーザーにとっては商品を選びやすく、リピーターにとっては新型への期待が膨らむという好循環を生み出しています。

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