2025/08/31

Razer Hammerhead V3のUSB DACは5V=50mA、PRO X DACは5V=100mA…ジャック側にスイッチがあるらしくイヤホンの3極と4極プラグで別のデバイスと認識するもよう。DACはいいがイヤホンが悪すぎる…


USB DACについているタグには5V=50mAと表記されています。

結論からいうと、「イヤホンを目的に購入するのならやめておいたほうがいい」「USB DACが目的なら必要十分。互換性も高くおすすめできる」

USB DACはかなり魅力的なサウンド。元気のある低音とキラキラした中高音。しかし肝心のイヤホンは低域がボヤボヤして全体的に音がこもっており、往年のHammerheadで問題となった「偽物か模造品ではないか?」と疑いたくなるほど音質が悪く感じられる。
USB DACはかなりいいんだ。まったくフラットではないがゲームのサウンドに違和感を覚えるほど強いメリハリが生まれて個人的に好み。退屈せず楽しくプレイできる。音量も十分に大きくできる。お気に入りのイヤホンかヘッドホンをつなぐと非常に見通しがよく定位を把握しやすい。透明感というよりは個々の音の輪郭がはっきりとして細かい物音まで漏らさず聞き取りやすい。
解像度が非常に高く、連射するマシンガンやライフルの1発1発が鮮明に聞こえすぎて疲れるかもw
Razer Hammerhead V3




PRO X DACは5V=100mAなのでHammerhead V3のDACはこの半分の電力で動作することになりますね。

DACのオーディオ部分の進化や改良だけでなく、電源回路も省エネに設計され、スマホやゲーム機のバッテリーが長持ちするようになっているということです。

ちなみにこれと似たようなSound BlasterX G1は5V=500mAとHammerhead V3の10倍の電力…音量もデカいが発熱もデカい。


Type-CをUSB Aに変換するアダプターは付属されていないので、持っているものを流用することにしました。
これはXDUOO Link2 Balの変換アダプターです。



まぁHammerhead V3のイヤホン部分はおまけだと思ってい……たのですが!


 この手前の3.5mmジャックに何も挿さない状態だとPCがUSB DACを認識しません!

イヤホンを挿さないとダメです。設定も何もできません。
デバイスマネージャーにすら表示されません。

驚いたことに、3.5mmジャックに挿しているイヤホンによって挙動が変わります。

3極のプラグと4極のプラグでは別のデバイスとして認識します。

そのため接続するイヤホンの種類によってWindows側の表示が異なり、
2- Razer Hammerhead V3
3- Razer Hammerhead V3

のように先頭に見苦しい番号が振られるようになります。

4極を挿した場合のみ、Windowsのサウンドプロパティーの「録音」にHammerhead V3が現れます。
3極を挿すと「再生」のみに現れます。

つまり4極プラグのマイク付きイヤホンを挿せばマイクの設定ができ、3極プラグなら再生のみが設定できます。



ちょっと待ってください…
3極プラグは完全にはサポートされていないのか、接続しても上手く認識されず使えない場合があります。いったんプラグを抜いて、ゆっくり挿したり素早く挿したり試行錯誤しないとDACが認識されませんね…

もしかすると今後のアップデートやリビジョンの更新によって「付属のイヤホン以外は動作しない」ように変更される恐れがあります。

ジャックに接続するイヤホン端子によってDACの挙動が必ずしも安定的ではないため、実際の運用については自己責任でお願いします。

挿しっぱなしなら今のところ安定動作していますが、頻繁にイヤホンを挿抜・交換する場合は要注意です。

3.5mmジャックに何らかのスイッチかフラグがあり、イヤホンを挿抜するたびにDACが再検出される仕様。うーん……DACを単独で動作するようにしてくれたらよかったのに……


3極プラグではSYNAPSE4のデバイス一覧にHammerhead V3が出てきません。
したがってアプリによるサラウンドやその他の設定が一切できません
どうせ使わないので問題なしですが。

初めてPCに接続した際はSYNAPSE4により自動的にセットアップされますが、Razer製品よろしく必ずPCの再起動を要求されます。


私が気になっているのは、ゲームやオーディオ用途としての性能ではなく、こういった最新の超小型USB DACのヘッドホン出力事情なのです。

低能率・高インピーダンスのヘッドホンでも十分な音量で駆動できるかどうか。


結論からいうと、音量は十分です。


プラグを挿抜するときの「ブツッ」というノイズが発生しない(イヤホンでも聞こえない)ため、デポップフィルターが搭載されていると考えられます。これはRazer Seiren V2 Proでも実装されています。
勘違い。Hammerhead V3にプラグを挿すときは静かですが、抜くときはブツッとデカいノイズが出ます。


“鳴らしにくい” オーディオテクニカの開放型リファレンスヘッドホンATH-R70xaは、Hammerhead V3のUSB DACのボリューム50%~70%くらいで実用に耐えられる音量になります。かなり余裕があります。音量はまったく困らないレベル。

高感度のイヤホンでも無音時のホワイトノイズが聞こえません。
ノイズフロアが低く非常に静寂です。これは予想外。合格!
Seiren V2 Proよりもはるかに静か。


ただ再生される音質は…ちょっと特徴的。

オーディオファイル的にはかなり悪いと評されそうですが……

低音はブーミーとまではいかなくても膨らみ、低域から中域にかけては大人しく、高域はキラキラとして、シンバルやハイハットなどの分離感がものすごく鮮明です。

「え? この曲こんなに低域でドシッと来る部分があったっけ?」と違和感を覚えるくらいメリハリがあり、中高域は妙に “軽い” けど音の輪郭、エッヂが立っていて「なるほど。銃声やリロードの乾いた音がめちゃくちゃ聞き取りやすい」とゲーム向けのチューニングであると感じます。それでいて聞き疲れしない絶妙なバランス。

ゲームのBGM、効果音、セリフが違和感のあるほど分離しているように聞こえるため、プレイ中のあらゆるサウンドを聞き分けるだけでなくボイスチャットでチームとコミュニケーションを取るうえでも非常に有利なのではないでしょうか。
間違いなくそういう用途・目的に最適化されていますね、Hammerhead V3(のDAC)は。

これはイコライザーやバーチャルサラウンド云々ではなく、DACの設計とチューニングが本当にゲーム向けだからです。
ストリーミング・コンテンツ制作用のSeiren V2 Proのフラットなヘッドホン出力とはまったく音の性質が異なります。

非常にゲーム向けのサウンドのため、ボーカルがスカスカ…メロディーが分析的なリズムを刻むカラオケで素人が歌っているような感じになっていますwww
あの「SeeAudio 麻婆豆腐」で聞いてみてもボーカルが主張してこないレベルなので、相当チューニングでサウンドの傾向が変えられています。
これはこれで面白いので気に入りましたwww

よくも悪くも「ゲーム向き」なのでこれで音楽を聴いても楽しいかどうか……。
これ以上、中高域を強調すると「シャカシャカ」と形容された昭和後期~平成のカセットプレイヤーのような音質になってしまいそうです。

定位はどうか?

純粋なステレオ(2ch)のオーディオデバイスとして動作するため、PRO X DACとは挙動が異なります。
Hammerhead V3のほうがまとも。

定位がいいというより、「よくするために最善を尽くした感」が強いです。
ホワイトノイズがなく静寂で、解像度が高く音の出どころがつかみやすい。
無駄な残響やエフェクトも乗っておらず、理想的なサウンド。

音場はやや広め。私の感覚からすると「かなり広い」。
なるほど。これはヘッドホンではなくカナル型イヤホンを使ってゲームに最適化されているのがわかる。

むしろヘッドホンでは音場が広くなりすぎる。いや、それはそれで開放感があって心地いいのかもしれないが。

本来はメリットとデメリットとして共存している要素が、相殺してプラマイゼロに近づいている印象。


こんなおもちゃのようなDACで正直だれも期待していないと思いますが、iPhoneのヘッドフォンジャックアダプタと同じであなどれない性能を秘めています。

FPSで真横や背後の音が聞こえなくなるようなこともなく正常。G HUBとは大違いです。

音の輪郭がくっきりしているので、足音や遠方の銃声がどこから聞こえるのかを察知しやすいです。
PRO X DACがクリアでパンチ感のあるサウンドなのに対し、Hammerhead V3は明瞭で高精細といった感じ。
Hammerhead V3はDACだけで十分「完成された」印象なので、イコライザーやバーチャルサラウンドは付随的、ないし余計なオプションといってもいいでしょう。

またキーボード打鍵音のASMRが非常に生々しく感じられます。
モノラルマイクではなくステレオで収録されたビデオに限りますが、本当に目の前でタイピングしているかのようです。
ある意味「生演奏」みたいなものかなw

キーのレールがこすれる音、底突きの音、その場の空気感までもが伝わってきます。

かなり「情報量が多く」聞こえますが、個々の要素が破綻せずに優れたディテールで明瞭に再生されます。
ボリュームにかなり余裕があるので、少し大きめに調整しておくと情報量の多さがよくわかります。

連射している銃声の1発1発がとても鮮明に聞こえる特徴があり、集中して索敵をするのにこれほど有利なものはないでしょう。
私はもう何度も書いていますが、FPSゲームに求められるのは「バーチャルサラウンド」などではなく、DACとイヤホン・ヘッドホンの純粋な性能です。
音場を過度に広げて音像がぼやけるサラウンドよりも、個々のサウンドが明瞭に聞き取れるようにエッヂを立たせるチューニングをしたほうが戦略上は圧倒的に有利になります。

よくオーディオの初心者がDAC/アンプを初めて購入した際に「今まで聞こえなかった音が聞こえる!」と感動する典型的なサウンドだと思います。

足音を聞くには最適ではないでしょうか。






さて、最終的に何がわかったのかといいますと、もう令和の時代には高価なDACやアンプやソフトウェアは必要ありませんよということです。
だってこれで音量も音質も十分なんですよ。
よほどのオーディオマニアかお金に余裕のある人でない限り、何万も何十万円も出す必要ないw


「さすがにATH-R70xaでは音量が小さいだろう」とか「ホワイトノイズはあるに違いない」という予想が大外れです。

ここまでRazer Hammerhead V3の「USB DAC」についてのレビューでした。
気が向いたらイヤホンとインラインマイクとアプリのレビューもします。

そもそも令和最新版の今、パソコンのユーザー数は減少し、Hammerhead V3の主なターゲットもPCゲームではなくスマホやハンドヘルドゲーム機が中心となってきています。
当然、PC専用アプリやドライバーは使えないため、USB DAC自体の性能が重要になってきます。

なのでHammerhead V3のUSB DACは正当な進化とニーズに対応しているといえます。


ちょっと待って……Hammerhead V3の「イヤホン」には期待できない…


装着感は悪くないけど、遮音性はそれほど高くありません。
麻婆豆腐のようなユニバーサル・インナー・イヤー・モニター(IEM)のハウジングに比べたら遮音性が劣るのは仕方ないのですが。
いやまぁ53600円の麻婆豆腐DAC込み7980円のHammerhead V3を比べるのはさすがに無理があるか。

7980円のうち7000円くらいはUSB DACに割り当てられてそうw

1000円のイヤホンといわれてもおかしくないレベル。


低域がボコボコとこもって非常にヌケの悪い音質に聞こえる。

よく言えばアナログのレトロな温かみの感じられる音なんですが……
フィルムにチリチリとノイズの入った古い映像に合うサウンド(なんじゃそりゃw)。

やっぱりDACが本体でイヤホンはおまけかーーーー?w
DACだけよくてイヤホンがこんなもんだと……………
麻婆豆腐が異様に優秀なのか、麻婆豆腐とこのDACとの相性がいいのか…?

ゲームの戦略上、不要な音域を悪くして、必要な音域だけ強調するとかそういうドライバーなのかなHammerhead V3は……

でもボコボコとした低音にほかの音も埋もれがちで設計を間違っている気がするぞ……

令和最新版が昭和のサウンドかよ!w

イヤホンなのにイヤホンがおまけ。
なんか最近のハッピーセットのような感覚w

イヤホンのインピーダンスや音圧感度などの情報がまったく公開されていないのでわかりませんが、Bravery'24と比べると音量がけっこう小さく聞こえるので18Ωより高い、110dBより低い、ということはだいたい想像できます。



そういえばHammerheadの旧モデルはあまりの人気から偽物や模造品の流通が大きな問題となっていましたが、このV3も偽物なんじゃないかと思うwwww
パソコン工房の店頭で買ったから本物のはずだけどね。

疑いたくなる気持ちはわかります。



ボリュームはデフォルトで50%だけど25%くらいで十分な音量。
50%では音がデカすぎて難聴になりそうだ;

Bravery'24だと5%くらいでも余裕で聞こえるほどです。
なのでHammerhead V3のイヤホンはけっこう高インピーダンスか音圧感度が低いことがわかります。

リモコンはDAC経由のPCでも動作し、ボリュームの上下が可能。


Windowsのサウンド設定で「ヘッドホンのプロパティ」→「レベル」タブに「Sidetone」があり、デフォルトではミュートになっていて、これを有効にするとほぼ遅延のないモニタリング(側音・サイドトーン・自分の声を聞く機能のこと)が可能です。
しかしまったくノイズキャンセリングのない周辺の音が入ってくるため、あまり役に立たないです。

3極プラグ(マイクのないイヤホン)を挿した場合は「Sidetone」の項目はありません。


Hammerhead V3のDACはSYNAPSE4がインストールされていてもWindowsの標準ドライバーで動いていて、SYNAPSE4にはこういう設定項目がない点に注意が必要です。
そしておそらくUAC1.0なので今のところ音飛びは一切ありません。やったね。
ほぼ接続機器側に依存する仕様(USBクラスコンプライアント)のため、相性問題の心配はなさそう。

「既定の形式」から選べるのは16ビット、44100Hz、48000Hz、96000Hzのみ。
24ビットではないですね。公式のスペックが間違っています。




Razer レイザー Hammerhead V3 ゲーミングイヤホン 有線 ユニバーサル3.5mm カナル型 大型ダイナミック11mmオーディオドライバー カスタムイヤーチップ USB Type C DAC アダプター付 マイク付 インラインコントロール PS4 PS5 Switch PC スマホ 絡まりにくい 1.2 m TPE ケーブル ハンマーヘッド ブイスリー 【日本正規代理店保証品】


これでゲーミングオーディオデバイスの選び方というか優先順位がはっきりしました。


実際に自分の耳で聞いてみて「いいと感じる」イヤホンまたはヘッドホンが最優先です。

俗に「ゲーム用」「オーディオ用」「ASMR用」…などと分類されている製品がいいのではありません。
あなた自身が聞いてみて「いい」と感じるものが最良なのです。

そしてDACの優先順位は低いです。

音量に不満を感じるのでない限りアンプを買う必要もありません

Hammerhead V3は肝心のイヤホンが微妙なので、くれぐれも自分のお気に入りのイヤホンかヘッドホンを選ぶことを優先してください。ただしHammerhead V3と麻婆豆腐を買うと6万円を超えてしまいます。
Hammerhead V3のUSB DACはかなり特徴的なサウンドですが、音量と定位は十分に満足できるものであり、コンパクトで省エネ、発熱もほとんどなく、互換性も高いことから実用に耐えられます。

つまりお気に入りのイヤホン・ヘッドホンがあれば、Hammerhead V3のUSB DACでどんな環境でも快適なゲームを楽しむことができるということです。
このDACの性能が特別に優れているという意味ではなく、互換性が高いので「どんな環境でも」同じ音響でゲームや音楽を再生できることがポイントなのです。

接続する端末ごとにサウンドの傾向が違ってくると、外出や宿泊の多い人はそのつど頭を悩ませられることでしょう。
しかしこのHammerhead V3(のDAC)があれば、そうした心配は無用になります。

DACを動作させるための余分な電力や追加のバッテリーも必要ないですし。
ただUSB Type-C端子を挿すだけで使えます。

マイク付き・マイクなしのイヤホンを持っていると、それぞれ接続した際にWindowsは別々のデバイスと認識し、音量も別々に記憶されるので、使い分けが容易になります。



オタクやマニアの視点では、「スティック型DAC」や「オーディオ変換アダプター」のようなモバイル製品を過小評価する傾向がとても強いのですが、断じてそのようなことはないと私は言い切ります。

DACや電源回路や消費電力などの技術は数年前よりもずっと進化していて、今どき「据え置き型」のオーディオ機器なんかアドバンテージがほとんどないんですよ。

特にアナログの回路の充実している “伝統的な” DACやアンプは発熱と消費電力が大きく、小型化やモバイルでの運用がきわめて難しい問題があります。
いろいろと電力ロスが大きいため、実用的だとは私は到底思えません。

ホームシアターのような大きな製品を絶賛する一方、こうした小型のDACを過小評価するのは時代錯誤というか「偏見」に近いものがあり、現状を正しく捉えることができていません。

最近ではもう「有線」のイヤホンが廃れつつあることも忘れてはいけませんね。
完全ワイヤレスでいかにバッテリー寿命を延ばすとか、BAドライバーを詰め込むとか、平面駆動とかデザインとかを求めています。

結局のところ好みの問題であり、自分の好きなものを選べばいいのです。

高級オーディオの「違いがわかる」アピールをするよりも、好きなゲームで遊んだほうがマシですよ。

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