2018/01/16

44.1kHzを超えるサンプリングレートで再現された音声は高音の波形がひずんでしまうらしい

「ハイレゾ」に興味があるといってもそれはオカルトの域を出ないものでした。
心霊や超常現象に興味を持つことと同じです。

2年以上前の記事ですがハイレゾに関する情報の中では一番妥当な内容のものを発見。
192kHz/24bitのハイレゾ無圧縮音源は本当に聴き分けられるものなのか? - GIGAZINE

まず現実的な点として、16ビットや24ビットという「量子化ビット数」については
ビット深度が増えるほどダイナミックレンジが広くなって再現性が高くなる

オーケストラの収録などの「最小の音」と「最大の音」の差が大きいものに関しては
24ビットで処理を行うことに(機械的な限界はあるものの)理論上の意味はある。

ピアニッシモなどの非常に音の小さい演奏を浅いビット深度で再現しようとすると、
聞こえるべき音声の大部分がノイズフロアに埋もれてしまい、
きちんと聞くことができなくなってしまいます。

それに関しては16ビットよりも24ビットで録音や再生をすることに意味があります。


問題はサンプリングレートのほうなのです。


デジタル音声というのは原理的にサンプリングレートの半分の周波数を再現することができ、
その中でも人間の耳に聞こえる周波数だけを取り上げ、多少の余裕を持たせて
切り捨ててしまうのがもっとも合理的であることがわかっており、CDが規格された当初から
そのように処理されてきました。

上の画像を見れば、周波数の大きい高音の波形をデジタル化した際に
本来の波形とはかけ離れた形になることがわかります。

そうなると実際の音源にはなかったはずの音が「折り返しノイズ」という形で現れ、
(あくまで超高音としては聞こえないが)濁らせたりひずませたりするのです。

デジタル側で周波数を正確に定義しても、アナログへ変換する際には実質「無限大」の周波数を持った信号が現れます。
あらゆるイヤホンやヘッドホンにはそもそも再生可能な周波数の「上限」などないのに、ハイレゾ対応をうたっている製品ではあえて人間の可聴帯域を超えるスペックを表記しているのが謎なのです。

折り返しノイズを解消するためにCDではあえて44.1kHzという控えめな仕様になっているのです。
ローパスフィルターを通すことでひずみの原因となる高音をカットしています。
20kHz以上の音が含まれないようにフィルター処理しているらしい。

………ではなぜ今さらその常識を変えてしまうような「ハイレゾ」が出てくるのか……

ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…

よくわかりません……

私が思うには、量子化ビット数とサンプリングレートが混同されているのかなぁ、と。
小さな音声の再現性に関してはビット深度の大きいもののほうがたしかに優れている。
4ビットや8ビットではザーーーージジジジジジというノイズが多すぎて聞くに耐えない。
初代ゲームボーイとか電話の音質ですよ。

しかしサンプリングレートをどんなに高くしても、そもそも人間の耳には「音」として聞こえないし、
デジタル化の都合でどうしても高音の波形が正しく再現できずにひずませてしまう。
聞こえない音をヘッドホンから鳴らし続けることで何か害があるかもしれない……?
まあ憶測はやめたほうがいいですね。

「超音波を含んだデジタル音源を再生して耳で聞く」ことにどんな影響があるのか。


そもそも「ハイレゾ」というのはソニーが最初に言い出したんですよね。
もうすでに音楽業界の売上が低迷していた時期です。
官能的なものなので科学的にバッサリと否定することもできません。
それを狙ったビジネスだと考えればまあ納得がいきます。

96kHz/24bitとかいう単なる音声ファイルのフォーマットばかり強調して、
実際にその形式で収録できるマイクや設備があるのかどうかも怪しいのです。

24ビットのダイナミックレンジをフルに使える機材は今のところ存在していません
「少しでもスペックの高いものがいい」という本能に訴えかける以外の何物でもないのです。




実際の音声というのは、サンプリングレートのある一瞬だけを切り取って聞くことはできません。
連続的に再生されて初めて音声として「聞こえる」のです。

だからたとえその音が「ひずんで」いようが「聞こえない高音」であろうが、
全体として含まれている音声を人の耳がどのように処理しているのかが問題なのです。

ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…

超音波を聞くことのできる犬やコウモリにハイレゾを聞かせないとわからないんじゃないかな…
人間だと先入観や試聴の順番や体調や気分などいろいろなものに影響されちゃうし。
これはWindows7の標準のサウンドプロパティです。

システムの規定値としては24ビット、48000Hz(スタジオの音質)となっています。
これを24ビット、96000Hz(スタジオの音質)や24ビット、192000Hz(スタジオの音質)に
変更できるサウンドカードがあるとしても、あまり意味はないのかな……

当然ながら数字の大きいもののほうが高いスペックを必要とします。
同じ音声ファイルを再生する場合でも1秒間に処理するデータが多くなるので。

ただこれはあくまでデジタル部分の話。

実際に音を出しているアナログ回路のほうが重要になってきます。
これも「ハイレゾ」を考慮する際に重要なのに忘れられがちなポイントですね。

「ハイレゾ音源」も「ハイレゾ対応サウンドカード」も単にそういうフォーマットを扱えるという意味であって、
実際にスピーカーやヘッドホンに「音」を出力しているアナログのアンプに十分な能力がなければ
まったく話にならないのですよ。

つまりそういうことなんです。
ハイレゾといっていたずらにデータ量を増やしたところで意味がないばかりか、
かえって音のひずみやノイズ、音量の不足などの悪い結果をもたらす場合もあるということが
ほとんど無視されているのです。


192kHz/24bitというのは単なる音声ファイルの形式に過ぎません。

どのような機材で収録したか、というのがわからないのです。
CDの形式、44.1kHz/16bitのファイルを192kHz/24bitに変更しても
ある意味ハイレゾということになってしまうのです。

足りない部分をソフトウェア的に補間して再生するんだったら………
別に音源を水増ししなくてもいいわけで………
それで「おお、音がいい!」というのなら……
アップサンプリングで十分ということに……

あれ……ハイレゾ関係ないじゃん!


「ハイレゾ」と「非ハイレゾ」を聞き分けられることと、
「ハイレゾのほうが音がいい」ことは別問題。


理由はさっきも書いたように、デジタル処理の関係で高音の波形はひずみ、
本来の音とは異なる波形を示すから。

「本来の音と違う音が『いい』」という話になってくるからややこしいんです。


デジタルの波形はギザギザであるが、
スピーカーから出てくる音はアナログの滑らかな波形である

というところが肝心です。

デジタルのギザギザの信号がそのまま出てくるわけではないんですよwwww
デジタル・アナログ・コンバーター(DAC)の存在を忘れてはいけません。

「音は波の性質を持っている」という本質を理解していれば、
ギザギザの棒グラフのような図形の点と点を結べば滑らかな曲線の波形を得られることがわかるでしょう。

44.1kHzのサンプリングレートは22.05kHzまでの信号を完全に復元できる。
CD音質の22.05kHzですら可聴域を上回っていることに加えて、
ローパスフィルターによって高音成分を除去しているのです。

96kHzのサンプリングレートで48kHzの高域を収録したところで聞こえないし、
ひずみによって本来の音とは違う音になってしまう……

ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…

頭が痛くなってきました。

どうしたって最終的にローパスフィルターを通して出力されるのだから、
その過程で処理をすればするほど本来の音源からかけ離れた音を聞くことになります。
「原音再生」という概念が非常に怪しくなってくるわけです。
いったい何を聞いているのか、と。

もうハイレゾを主張している人も物事の本質がわかっていないんじゃないですかね?


本来の音源(ソース)とは異なる音をありがたがって聞いている。

そんな印象です。
だんだんカルトじみてきました。



人の耳で聞き取れない音が本当に忠実に記録されているのかわからないし、
忠実に再生できているかどうかも疑わしい。

「ハイレゾは情報量が多い」というのは事実だとしても、
それは目に見えない小さな文字をびっしりと書き込んだノートのようなもので、
情報として存在しても肉眼では読み取ることができない

意味があるといえばあるけど、ないといえばない。

さらに情報量の多いことが無条件に「いい」とは断定できない。

絵画でいうなら写実的で本物そっくりに描かれた絵と、
省略や誇張されたコミックイラストではどちらが優れているのか?
という疑問に等しいです。

優劣や良し悪しでは判断できない次元ですよね。

なんというか、もう各自の「好み」の問題です。


ハイレゾもそれと同じで、理屈や原理で語るものではないのかもしれません。

「ハイレゾ対応ヘッドホン」というのも謎です。

「ハイレゾ非対応ヘッドホン」というのは存在するのでしょうか?
たとえば再生周波数帯域が20~60,000Hzのハイレゾ対応ヘッドホンはあっても、
20~10,000Hzのハイレゾ非対応ヘッドホンなんてないですよね?
1万Hz以上の音が物理的に出ないヘッドホンなんて作れるのでしょうか……
あえて製作することに意味があるのかどうかも謎です。

再生機器側でローパスフィルターをかけて高音を出なくさせる、のではなく、
しっかりと出力しているにも関わらず高音の出ないヘッドホンということです。

…………そんなのないですよね…………

DA回路を通った時点で上限のない周波数成分が混じっているわけですから。

高周波を出さないヘッドホンを作ることのほうが難しいでしょう。




これまで編集の時点で切り捨てていた「不要な情報」をなぜ今になって盛り込もうとするのか。

音楽の権利を持っているレコード会社が「同じ音楽」を「違う形式」で売りたいからです。

それで売れるなら経済効果があっていいことじゃありませんか。

音楽のデータをハイレゾというフォーマットで売り、ハイレゾを再生できるプレイヤーを売り、
ハイレゾを聞くことのできるヘッドホンを売る口実になるのなら……

ただのマーケティングを、理論や構造で説明しようとするから無理が生じるのです。


大手がゴリ押しやオカルトまがいのビジネスをしていても消費者の多くは疑いもせずに受け入れる傾向があります。最近では政府とズブズブの関係が明るみになりましたよね。

一般的に「常識」と信じられているものが実はそうではなかったということが現実にあるわけです。

ハイレゾ商法もそれに近いものだと思って注意深く見守っていきましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿