2014/06/21

ヘッドホンの正しい装着法…頭につけてからスライダーを縮めて調整する。イヤホンはさらに難しい

眼鏡をかけている人でヘッドホンやヘッドセットの側圧が痛い場合、眼鏡のフレームが原因の可能性があります。モダンなデザインの薄く柔らかいテンプルの眼鏡がオススメです。


1.スライダーを少し長めに伸ばしておいてヘッドホンをかぶり、頭頂部のヘッドバンドを片手で少し押さえつけます

2.ヘッドバンド内側のクッションが頭蓋骨の形に応じて凹み、「点」ではなく「帯」で頭部を包み込むような状態になります。

3.ヘッドバンドを上から押さえたままスライダーの長さを「縮めて」ジャストフィットする位置に固定します。

耳たぶの下から上へ吊り上げるようなイメージです。


間違った装着法は、スライダーを長く伸ばしすぎて重心の位置が低くなっている状態です。
側圧が耳たぶの周囲だけにかかって痛くなりやすく、音漏れや低音の質が悪くなります。

ヘッドホンを頭につけてから、ヘッドバンドが頭蓋骨の形に沿って包み込むようにスライダーを縮めて調整するのがポイントです。



ふかふかで柔らかいヘッドバンドのクッションは上から押さえて頭頂部のラインにぴったり合わせます。よいヘッドホンであれば「それでも痛くならない」ので頭部との一体感が増し、イヤーカップの密閉性が高くなって低音の質が非常に改善されます。

ある程度ヘッドバンドのクッションを上から押さえることによって圧力が分散し、頭頂部から左右にかけて「丸く包み込む」形になります。
最初は頭にちょっと圧迫感を覚えるかもしれませんが、力が上手く分散するので痛くはならず、しっかり固定されて遮音性と密閉性が高くなり、外来のノイズ(生活音等)を抑えて低音がきれいに聞こえるようになります。

緩めたヘッドホンを「頭に乗せて」いる感覚だと頭頂部に「点」の圧力がかかりやすく、側圧を耳たぶの周囲だけで受ける形になるため、最初の数分間は快適でも徐々に不快感を覚えます。

「なんか頭の上に“当たってる”感触があるなぁ…」
「耳たぶの上部が痛くなる」
「遮音性が悪くて低音がスカスカ」

というのはヘッドホンを緩めすぎているのが原因です。



よいヘッドホンは初めから「側圧が強すぎる」ことなどなく、バンドを広げて緩める必要がありません。むしろ故意に緩めてしまうとイヤーカップの密着性が低下し、音質に悪影響を与える場合があります。

緩いヘッドホンとぴったり密着したヘッドホンでは明らかに低音の再現性が違っています。

よく「ティッシュペーパーの箱をヘッドホンで挟んで側圧を緩める」といわれますが、下手にやると台無しになり、売却の査定額にも悪影響を及ぼすかもしれません。


さらに重要なのは、緩いからといって耳や耳の周りが痛くならないわけではないということです。

「ヘッドホンの側圧で痛くなる」のはヘッドホンのせいではなく、「眼鏡のテンプル」が耳の後ろに食い込むのが原因であることが判明しました。

太くて滑り止めのついた眼鏡をモダンな細いフレームのものに変えたところ、ヘッドホンを半日くらいつけっぱなしにしても痛くなりません。

私はたまたまピンク色がほしかったので「あえて女性用」の眼鏡を選んだのですが、これが功を奏したみたいです。

眼鏡のテンプルは「後ろ側に長すぎない」ことが重要で、どうしても耳の後ろから飛び出るようであれば調整の際に下向きに曲げてもらうといいでしょう。

飛び出したテンプルの先をヘッドホンのイヤーカップが押さえつけると、耳の後ろの骨が食い込んでしまいます。

スポーツタイプの眼鏡は強力な滑り止めが固いのと、着脱のしやすさからテンプルがストレートで長くなっている場合があるので、注意して選ぶようにしてください。


Logicool G PRO Xでは特に顕著に違いがわかります。


ヘッドホン全体を頭部の後ろのほうではなく、イヤーカップが頬骨にかかるあたりまで前に出すのがポイントです。後ろすぎると耳たぶが接触して痛くなりやすいです。




ヘッドホンは長期間の使用により「ヘタって」きます。
合皮のイヤーパッドはボロボロになり、中身のスポンジは弾力性を失い固くなってきます。
ヘッドバンドやスライダーが割れたり折れたりすることもあります。

Logicool G433は私が使ったヘッドセットの中では一番長持ちしています。
イヤーパッドの素材がスポーツメッシュとマイクロファイバーなのが特徴で、合皮のようなボロボロと崩れるような劣化が(3年経過しても)起きていません。

合皮は使っても使わなくても、手入れをしてもしなくても2年くらいで劣化してしまいます。



私は決して小顔というわけではないはずなのですが、G433はスライダーを一番短い状態にしても頭頂部とヘッドバンドに隙間ができ、ぴったり密着させられないため「頭頂部がだんだん痛くなる」問題があります。

G433にマイク風防(スポンジ)をつけたけど、そもそもマイクの音質がPRO Xに比べてよくない…

G PRO Xのほうがタイトにできていてヘッドバンド全体が頭頂部を覆うため頭が痛くなりにくいです。

G PRO Xはスライダーの目盛りを一番短い状態から3段階伸ばすと私の頭にはジャストフィットします。
G433はどの長さにしても合いません;;



またヘッドホン以上に装着の難しいのがカナル型イヤホンです。

かなりイヤーピースの選定や「耳に挿し込む深さ」に試行錯誤が必要で、自分に合った物を見つけるのに数日~数週間を費やすこともあります。

適当に選んだものが装着した直後は快適でも、数分後には違和感を覚えることがあって、長時間の使用には耐えられない場合もあるからです。

人間の耳の穴は左右同じイヤーピースが最適とは限らず、形や大きさや深さは千差万別。

感覚的には左右対称につけているつもりでも、実際には微妙に異なっていて違和感の原因となり、片耳だけ疲れたり音質が違って聞こえたりしてしまいます。

耳に入れる角度や深さを1ミリ単位、いや、0.1ミリ単位で調整する必要があるかもしれません。

しばらく耳に入れていると体温によってイヤーピースが温められ、固さや大きさ、表面の摩擦などがわずかに変化し、時間経過で装着感が異なることさえあるのです。
湿度や皮脂によっても変化します。

シリコーン製やウレタン製など素材の違いはあっても経年劣化の影響は無視できず、新品と時間がたっているものでは同じイヤーピースでも感触が違っている場合もあります。

同一製品であってもロットによる差異があるかもしれません。


大型家電量販店やイヤホン専門店では「視聴」することはできても、イヤーピース1つ1つを長時間試着することまではなかなかできません。
価格も数百円でセットを買えるものから3000円前後の高級品まで幅があり、またそれぞれサイズの違いがラインナップされていることからなかなか全部を試すのは難しいです。


「耳」に対して物理的な距離がもっとも近いのがイヤーピース。

つまりイヤホンそのものの性能や品質よりも、イヤーピースが聴覚的・音響的にもたらす影響のほうが大きいのです。

「ケーブル」や「DAC」「アンプ」よりも重要かもしれません。

イヤーピースの選び方に無関心だった人は、この機会に探してみるのがいいでしょう。


他人のレビューではなく、あなた自身に合うものを選んでくださいね。


私も簡単なアドバイスしかできず……
eイヤホンなどの専門店で相談するのは賢明ですが、感染症対策によってなかなか熟考するのが難しく、とにかく買って総当りするほうが早いかもしれませんね……

本当に耳の形は千差万別で音の好みも人それぞれ違うので、「これ」といった正解のないのが現実です。

安物のイヤホンに付属されていた無名のものがジャストフィットする人もいるし、どれも合わないので自分で改造したイヤーピースを使っている人もいます。

明確な答えの得られない課題なので、どうかご了承ください!



2022年9月21日追記

片方のイヤホンがどうも合わないと思っていたら、左のドライバーが一部故障していることが判明しました。
3BA+1DDのいわゆる「ハイブリッド型」なのですが、低音担当のドライバーから正常に出力されておらず、それが左右の違和感の正体だったのです。

イヤホンの内部が壊れることなんてあるんですね!
ケーブルの断線は何度か経験しましたが、ドライバーが壊れるのは初めてです。

いやぁ…

イヤホン自体が壊れていたら、イヤーピースや挿し込む深さを調整しても解決するはずがありません。

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